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Apoptygma Berzerk


 ボーカルの Stephan Groth を中心に1989年に結成されたノルウェー出身のシンセポップ/シンセロック系ユニット。 VNV Nation や Covenant らと並んで、2000年頃の "Futurepop" というジャンル誕生に立ち会った(?) EBM 界隈出身の重要アーティストです。 しかし近年の作品では脱フューチャーポップ化が進み、ロック的な音楽性に路線変更しているようで、王道フューチャーポップへの回帰を望むファンの声も。

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2000年
3rd アルバム
Welcome To Earth

 Apop の出世作 3rd アルバムは、ジャケ絵のミステリーサークルが示す通り、宇宙人と地球の交信をテーマにしたコンセプト・アルバム。 ピコピコ・シンセ音を散りばめたダンスビートが北欧の涼しいそよ風と一緒に小気味良く進んでいく正統派シンセ/フューチャーポップ・サウンドは、 EBM 的な出自を感じさせない清々しさとライト級のノリが印象的。 近未来世界への憧憬を感じさせながらどこかレトロ風情漂ういい意味でのチープさもさることながら、 Stephan Groth 君のクールな歌声が曲によって微妙に表情を使い分けてくるあたりも高ポイントですな。 ただ、前述のコンセプトゆえか、電子音で遊んだだけの SE トラックが無駄に多いのが難点。 9曲目の声のサンプリングが #5 「 Kathys Song (Come Lie Next To Me) 」 のボーカルの逆回しになっている仕掛けとかも ・・・アレだ、コンセプト先行気味ってやつ。 #2 「 Starsign 」 や #10 「 Paranoia 」 のような高速トラックが冴えているだけに、この密度の薄さは勿体無い。 それでも、本作は5万枚を超える大ヒット(この手のジャンルにしては)を記録したようで、 フューチャーポップ元年(?)を飾る看板アルバムとしては申し分ない出来栄えだと思います。
注目曲 : #8 「 Fade To Black 」
 Metallica の曲のカバーによるダンス楽曲。 Apop の個性にうまくフィットしている感じで、個人的にベストトラックです。やはり、元々の曲が良いというのも大きいのだろうけど。

Harmonizer

 音楽的には前作を順当に踏襲した 4th アルバム。 4つ打ちビートで歌って踊れる Apop 節は今回もバリバリ健在で、分かりやすいポップさには一段と磨きがかかった感も。 甘〜い電子音をまぶしたキャッチーな歌モノ系が並ぶアルバム前半はさすがの出来で、まあとにかくポップです。 実質リードトラックの #2 「 Suffer In Silence 」 なんかポップ過ぎて一瞬 AQUA かと思うほど(笑)  かたや、アルバム後半は音数を絞ったダンス・トラックや実験的な曲が多いので、インパクトのある曲が前半に偏っているのは難点ではありますが。 あ、最終曲の #11 「 Something I Should Know 」 はなかなか好きです。シンセのフレーズがイイ。 このアルバムも前作 『 Welcome To Earth 』 が気に入れば買いですな。


2002年
4th アルバム
注目曲 : #4 「 Until The End Of The World 」
 シングル曲。イントロはやや引っ張り過ぎだけど、歌メロは白眉でベストトラック。