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Black Ice


 米国カリフォルニア出身、99年結成、女性ボーカルを擁するノーウェイヴ/デスロック系バンド。 「デスロック」とは、大雑把にいえば「米国版ゴズ/ポジティヴ・パンク」と捉えてオーケーみたい。 あまり馴染みの無いジャンル用語ですね。 80年代ポスト・パンクを意識した古めかしいサウンドに、ゴシカルで不吉なムード、 そしてヒステリックにわめき立てる女性ボーカル、という取り合わせ(笑)  明らかにアンダーグラウンド向けな音ですが、これから有名になればいいな〜と。

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2005年
1st アルバム
Terrible Birds

 2002年の4曲入りデモと2003年の 『 Eve EP 』 (10")に続く、フルレングス 1st アルバム。歪んだポジパン的ギター&ベースに、ダンダンドコドコと鳴らされるドラムを軸とするバンドサウンドは、初期キリング・ジョークにも通ずる廃墟感の演出が巧みで、オカルトホラー的な世界観。メタルっ気はゼロで、この人たち英国ポジパン勢とか絶対好きなんだろうなー。呪うようにオドロオドロしい声を上げたり、「悪魔が私の赤ちゃんを連れ去りに来るのよ!ホントなのよー!」みたいな勢いでまくし立てたりする、この女性ボーカルの存在感が際立っているので、憂鬱というよりは、かなり騒々しい印象です。序盤の3曲についてはスピード感もあってパンキッシュ。それ以降はスローテンポになってテンションが落ちるので、より不気味になるのはまあ良いのですが、似たような曲が続くせいで、シマリが無くなり気味なのが惜しい。個性は十分あるのでポジパン好きにはウェルカムな作品です。
注目曲 : #3 「 Elixir 」
 どす黒いこのアルバムの中で、唯一ポップなギターリフのノリノリ疾走感。楽しい!

Myopia

 2ndアルバム。全体的に大人しくなって、スピードも低下。ボーカルもヒステリックに騒ぐことが殆ど無くなり、代わりに陰鬱な歌メロを奏でるようになりました。何曲か微妙に演歌メロ。前作のバンドサウンドと比べると、エレクトロの導入が著しく、エフェクトやノイズ、打ち込みリズムトラック等も駆使しています。アルバムの前半こそは、前作のような不吉さを継承していて、ボーカルもオドロオドロしい口調ですが、後半の曲はスピリチュアルで幻想的な雰囲気になり、音響/アンビエント的なサウンドに接近。ここではボーカルも「歌」というよりは、複層的なサウンドを構成する一要素的役割です。(ポジティヴ)パンク的な勢いが無くなってしまったのは残念な気もしますが、曲の洗練度はアップして聴きやすくなったので、これはこれで好きですね。寝る前に最適な CD ということで指定。


2007年
2nd アルバム
注目曲 : #2 「 In Ruins 」
 唯一ミッドテンポで進む曲。この曲を MySpace で試聴して「このバンド結構ツボだなー」って思いました。