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Children Of Bodom


 1997年デビュー、フィンランド出身のメロディックデスメタル系バンド。ボーカル兼ギターのアレキシ・ライホ ( Alexi Laiho ) とギターのローペ・ラトヴァラ ( Roope Latvala ) は、キンバリー嬢率いる Sinergy のメンバーでもありました。バンド名はヘルシンキ近郊のボドム湖で起きた殺人事件に由来。

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1999年
2nd アルバム
Hatebreeder

 この頃の彼らの音楽性は、ブラックメタルからの影響が仄かに感じられるスラッシーなネオクラ・メロディック・デスメタル。 アレキシ・ライホのギャオギャオ喚き散らすボーカル・スタイルに、 バロック・クラシック音楽からインスピレーションを受けたような (というか、何ヶ所か流用してる) 流麗なギターのフレーズ、 そして潤いを与えるキラキラのキーボード、 そんなチルボドらしさを決定付ける要素がスリリングに交錯しながらブルータル&メロディアスに爆走する曲展開は、 若干のB級臭さを差し引いても聴き手をリピートの闇夜へと誘う魔力に溢れています。 長尺で充実したソロ・パートの存在はもちろんのこと、 湖畔に佇む古城の静寂、そこに潜む呪いの死神・・・このアルバムが醸し出すそんな情景は、モダン・メタル化した近年の作品には見出せない価値で、 初期作品を支持するファンが多いのも納得ってやつです。
注目曲 : #9 「 Downfall 」
 回転上昇するキーボードとともに疾走するラスト曲。

Hate Crew Deathroll

 所属レーベルの Spinefarm の資本上の理由で、日本ではトイズファクトリーからユニバーサルに籍を移しての 4th アルバム。 これまでのネオクラ的な資産を引き継ぎながら、モダン&ヘヴィな安定感を融合させた作風は、 どこか薄っぺらかった初期特有の欠点を完全に払拭し、早くもトップバンドとしての風格すら漂わせることに成功した、まさにメジャー級のクオリティー。 バンドの最高傑作との評判が高く、初めて聴いたチルボドのアルバムですが、とにかく曲の出来が素晴らしくイイ。 冒頭と末尾に配されたバンドを代表する人気曲 #1 「 Needled 24/7 」 と #9 「 Hate Crew Deathroll 」 は言うまでもなく、 その間に挟まれた楽曲群にしても、そのどれもが彼らの創造的エネルギーがピークに達していることを示すアイデアに富んだ内容で、 管理人が捨て曲無しと心から思える数少ないメタル・アルバムなのです。 後半にかけても緊張感が全く切れることなく、むしろアグレッションを増しながらラストまで駆け抜ける展開も圧巻。 日本盤ボードラに収録されたスレイヤーのカバー曲 #10 「 Silent Scream 」 と、 ラモーンズのカバー曲 #11 「 Somebody Put Something In My Drink 」 もチルボドらしいドタバタ感がナイスです。


2003年
4th アルバム
推薦盤
注目曲 : #5 「 Angels Don't Kill 」
 バラードというか、本作唯一のスローチューン。哀愁を帯びたギターとキーボードのフレーズがまた極上で、アルバムの真ん中で良いアクセントになっています。



2005年
5th アルバム
Are You Dead Yet?

 ジャケが赤→緑→青→赤ときて、今度は無彩色になった 5th アルバム。 前作で試みたモダンメタル化をさらに押し進め、ヘヴィなリフでガガッと迫る機会が多くなった反面、 リードギターに引け劣らない存在感を放っていたキーボードの出番が減退。 ネオクラ的な要素を削ぎ落とした音楽性はグルーヴ重視の序盤2曲で特に顕著で、バンドの転換期を指し示すアルバムと言えます。 まあそんな訳で、従来のファンの間では物議を醸したようで、実際自分も最初はこりゃ微妙だな〜と思いましたが、 あの前作と比べるからダメなだけで、割り切って聴けばこれはこれで好きだったり。 むしろ個人的には 『 Hate Crew Deathroll 』 以前の3枚よりお気に入りです。 チルボド節ともいうべき魅力的なギターフレーズは十分健在で、 撲殺系の破壊力を伴ってガンガン飛ばす楽曲群はメタルコア勢にも通ずるカッコ良さ。 チルボドの新機軸として評価したい所存であります。 あとこのアルバム、下品なデス声で微妙にメロディーをなぞるアレキシの歌唱法がまたイイんですわ〜。
注目曲 : #8 「 Trashed Lost & Strungout 」
 正直、こういうチルボドらしい曲がやっぱり好きなんですね(笑)