N O M O S  A L P H A     Map   Genre   Index   Label   People   Column   Link   Info

Dead Kennedys


 1978年結成、言わずと知れたサンフランシスコ出身のパンクバンド4人組。政治色強し。 1986年に解散しましたが、2001年に再結成して活動中。 でもボーカルがジェロ・ビアフラじゃないから話にならない〜。

−−−−−−−−−−−−−−−



1980年
1st アルバム
推薦盤
Fresh Fruit For Rotting Vegetables

 1stアルバム。フロントマン、ジェロ・ビアフラ氏の毒舌演説の始まり始まり〜。 異様なビブラートを湛えながら超ハイテンションでまくし立てる歌唱法は強力で、この人の存在だけで当時のパンク勢とはもう別格です。 一ひねりも二ひねりもあるギターの旋律、ロカビリー的なメロを放つベース、そしてブレーキが壊れて前のめりに加速し続けるドラム。 どこか即興性をはらんだ無茶苦茶なパンクチューンが嵐のように吹き荒れ、狂気のビアフラ・ワールドが繰り広げられます。 粒ぞろいの楽曲にはどれも反体制的エネルギーと面白いアイディアがぎっしりと詰まっていて、題名見れば想像つくように歌詞の内容も過激で痛快。 この時期にしてはかなりのスピードを出していることや、政治ネタを歌っている点でも革新的で、 本作はパンクからハードコアへの過渡期を飾る最重要作の一つといえます。皮肉屋のマスト・アイテム!
注目曲 : #1 「 Kill The Poor 」
 激ポップなメロディに乗せて 「貧乏人を殺せ!」 と連呼するサビが最高。

Plastic Surgery Disasters

 2nd アルバム。ガリガリに痩せ細ったアフリカ人の子供の手と、大きな白人の手の対比を際立たせたジャケット。 ビアフラ率いるハイテンションな演奏はこのアルバムでも健在健在、それどころか全体的に音圧がアップしたせいでアグレッシヴになった印象も。 前作同様のロカビリー的メロや、ドタバタと高速で突き進むドラムも相変わらずで、全編に渡ってデッケネ節炸裂です。 アイディア的には前作や次作の方が優れている気もしますが、あの声とこのテンションがあればまぁ文句なしに楽しませてくれます。 こっちもパンクの名作。なお、本作は後になって81年にリリースされた EP 『 In God We Trust, Inc. 』 の内容をカップリングして再発されているのでお得。 EP 収録曲はアルバム収録曲にも増してハイスピードですねー。


1982年
2nd アルバム
注目曲 : #13 「 Moon Over Marin 」
 クリアーなギターリフが異色のオリジナル最終曲。どうもサーフ・ミュージックの影響らしく、「 surf punk 」 とか呼ばれるそうです。



1985年
3rd アルバム
推薦盤
Frankenchrist

 合成写真が楽しい 3rd アルバム。ここで少々趣が変わりました。 ラジカルでクレイジーでアイロニカルでブラックユーモア満載なのはこれまで通りですが、初期衝動的な勢いはやや減退し、 作品が放つ熱量は明らかに少なくなりました。演奏時間が長くなった楽曲群にはストーリー性のようなものが根付いており、陰険さは前よりアップした感も。 何つーか計画的に練られていますね、この捻れたメロディー、この展開。ビアフラの歌唱にしても歌メロやコーラス・ワークが増えたためか、 これまでとはまた違った高揚感が生まれています。以前朝昼晩民衆に向けてハイテンションで演説していた彼は、 今では半日くらい家の中で不敵な笑みを浮かべながらネタ作りに精を出しているイメージ。イメージね。個人的には 1st と並んでお気に入り。
注目曲 : #1 「 Soup Is Good Food 」
 ビアフラは紙芝居のナレーターのような口調で経営者側の言い分を代弁してみせます。ギターの旋律がひねくれすぎな名曲。