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Disarmonia Mundi


 イタリア発のメロデス系バンド。実質的にエットレ・リゴッティ ( Ettore Rigotti ) によるワンマン・プロジェクトのようで、この人はギター、キーボード、ドラム、そしてボーカル(普通声)まで全部こなしてしまう凄い才能の持ち主。2nd アルバムと 3rd アルバムでは Soilwork のボーカル、ビョーン ( Björn "Speed" Strid ) が参加して話題となりました。あと、もう一人のデス声ボーカル Claudio Ravinale を含め、今ではこの3人がバンドの正式メンバーらしい。レコーディングはエットレ・リゴッティ所有のスタジオで行われているようです。当初はバンドメンバーが揃わずライヴ活動が出来なかったそうですが、最近はそうでもない様子。2008年にはニューアルバム 『 The Isolation Game 』 の発売が予定されています。うおー楽しみだ。

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2001年
1st アルバム
推薦盤
Nebularium

 完全セルフ・プロデュースにより制作されたデビュー作。この頃はバンドメンバーが今と全く違っていたようで、ギター3人、ベース1人、そしてリーダーのエットレ・リゴッティがマルチプレーヤーぶりを発揮するという編成でした。音楽性も 2nd 以後とは別物のプログレッシヴ・ヘヴィメタルで、収録曲の半数が7分を超える大曲だし、激速〜ミドル〜スローテンポまで往来するアルバム展開や、曲の途中の派手なリズムチェンジも特徴的。デス声担当のボーカルさんは低く唸っていますが、あまりデスメタルらしい残虐性は感じられず、むしろ美意識の強いアート志向の作品です。2nd や 3rd で特徴的なサビの哀愁コーラスはここには無く、親しみ易さでは一歩譲るし、曲単位でも 「 Mind Tricks 」 みたいなキラートラックは存在しませんが、トータルでみるとコレはコレで素晴らしい作品ですよ。適度な泣きのギターパートやニュートラルな繋ぎ部分、クリアーに響く静寂の時間帯など、それぞれの配置は的確だと思うし、たまの歌メロや加速パートも良いアクセントになっていて、全くダレません。最初からアルバム全体を見据えて作曲してるんじゃないか?と思うくらい。冒頭と末尾を飾る微妙にエスニックなインスト曲の存在もあって、通して聴くとまるで異国風情の物語の世界に入り込んだ気分。メロディーセンスもスマートで安っぽくない。いや〜、エットレ・リゴッティはかなりの才能の持ち主ですな。
注目曲 : #3 「 Mechanichell 」
 このアルバムでは比較的キャッチーな疾走曲。ギターの旋律が良い。

Fragments Of D-Generation

 前作リリース後、リーダーのエットレ・リゴッティとベーシストの Mirco Andreis 以外のメンバーが脱退し、代わって新ボーカリスト Claudio Ravinale が加入。さらにメロデス系バンド Soilwork のビョーンをゲストに迎え入れ、トリプルボーカル体制で制作されました。プログレ色が濃かった前作から一転、本作ではギターの攻撃力と哀愁メロが際立っており、出番の増えたシンセ音も含めてサウンドの全体像は一気に近年の Soilwork に接近しました。つーか、なんせメインボーカル(デス声だけど)を握るのがビョーンですもんねぇ。全体的にスピードも速くなっていて、特にリードトラックの 「 Common State Of Inner Violence 」 は激速。全曲ハイテンションで攻めの姿勢ですが、入り組んだリズムトラックなど随所で前作のプログレっぽさも垣間見えたりで、なかなか味のある力作ではないでしょうか。


2004年
2nd アルバム
注目曲 : #6 「 Oceangrave 」
 ピコピコシンセ音の融合っぷりがカッコイイ。特にイントロがイイ。



2006年
3rd アルバム
推薦盤
Mind Tricks

 バンドメンバーが集まらずライヴ活動が出来ないから暇なのか? 早くもスタジオ3作目を作ってきました。ベーシストの Mirco Andreis は離脱したものの、今作でもビョーンは引き続き参加。彼に負けじと、第二のデス声 Claudio Ravinale も前よりギャンギャン叫んでます。作風は前作の延長上で、プログレっ気は抜けた代わりに歌心はアップ。特にサビで飛び出す哀愁コーラスが Soilwork の 4th アルバムさながら格段に厚みを増しています。これがまるで辺り一面を染め上げるオーロラのような美しさ。逆にこのコーラスの印象が強すぎて、どの曲もワンパターンに聞こえる点は否めません。が、それは「素晴らしい統一感」とコインの裏表ってことで処理。どこかゴタゴタしてた前作と比べると、このアルバムはメロディーや展開が洗練されて聴きやすくなりました。ブラストパートも多くスピード的にも満足レベルだし、曲一つ一つも完成度が高く、安心して聴ける傑作メロデス・アルバムです。
注目曲 : #2 「 Mind Tricks 」
 これは名曲じゃあないか。快速Aメロ、叙情的なサビ、展開部とその戻り、どれをとっても隙が無い。

 『 Mind Tricks 』 の3曲目 「 Celestial Furnace 」 の予算低そうな PV。ややモダンヘヴィネス寄りのミッドテンポ楽曲で、途中スピードアップするサビメロがイイ。でもオイオイ、そんなにビョーンの頭を照らすなよ(笑) 月の満ち欠けみたいじゃん。