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Dissection


 1989年結成のスウェーデン出身のブラックメタル・バンド。ブラックメタル黎明期において、一際メロディアスなフレーズを導入したことで評価され、現在ではメロディック・ブラック/デスの先駆けとして位置づけられるバンドです。メンバーはボーカル兼ギター担当で、バンドのリーダー的存在であるジョン・ノトヴェイト ( Jon Nödtveidt ) 、あとギタリストとドラマーがいましたが、1997年にジョンが殺人幇助の疑いで逮捕され活動停止。2004年にはジョンが釈放され再始動、11年ぶりの 3rd アルバムをリリースし、順調な活動を続けていくと思われた矢先に、今度は解散を発表。その上なんと、ジョンが拳銃自殺を遂げてしまいました。

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1993年
1st アルバム
The Somberlain

 メロディック・ブラックのパイオニアとしてブラックメタラーから絶大な支持を集める彼らの 1st アルバム。スタスタと激しく疾走するリズムの上を、分かりやすく邪悪でナイトメーアなギターサウンドが広がり、ギャオギャオのうがいボーカルが叫び散らすという真正ブラックメタルスタイル。そんな中にこの作品の肝である、涙腺を刺激しまくりの泣きのフレーズが絡んできて、メロデス好きを歓喜させることマジ請負。すげーイイ! バッハのリュート組曲を思わせるアコースティック・インストを幾つか挟んで起伏を与えたアルバム構成といい、きっちり緩急のついた曲展開といい申し分なく、#1 の後半で飛び出すコーラス、#8 で聴けるピロピロのギターソロ、#10 のシンセサウンドなども含め、綿密に趣向を凝らした圧倒的なクオリティーに感嘆させられました。欲を言えば、もう少し全体的に音圧が欲しかったのと、スネアの軽さが気になるかな? しかしそうか、93年って Carcass の 『 Heartwork 』 と同じ年か。そう考えるとこの人たち時代を先取りしているよな〜。
注目曲 : #1 「 Black Horizons 」
 薄気味悪い不協和音に続いて、すぐさまブラックメタルらしく展開するオープニング。この曲はラスト40秒の泣きの疾走がたまらん。