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Echo & The Bunnymen


 1978年、英国リヴァプールにてイアン・マッカログ(Vo,G)、 ウィル・サージェント(G)、レス・パティソン(B)が結成したポスト・パンク・バンド。 当初エコー社製のドラムマシンを使っていたことからこのバンド名を名乗るようになったとか。 ん、ということは、男どもは「ウサギさん」か? けどメンバーの見た目は暗ーい感じで、イアンはボサボサの寝癖ヘアーが目印。 しばらくしてピート・デ・フレイタス(Ds)が加入、バンドは4人組に。
 彼らのオリジナル・アルバムは、最初の4枚目までは傑作だが、 それ以降は印象薄め、というのが世間一般の評価。 80年代後半にはイアンの脱退やピートの事故死もあって、 一時代を築いたバンドも自然消滅。 が、97年のアルバムでオリジナル・メンバー3人で再結成。 現在もしぶとく活動を続けている模様です。
 4人が生み出す幽玄なバンドサウンドは20年以上経った今も全く色褪せることなく、 エコ&バニは「ネオ・サイケデリック」の旗手であり、 名実共にこのジャンルを代表するアーティストです。 アメリカにはこういう音を出すバンドは少ないでしょうねぇ。 Joy Division や初期の The Cure が好きなら十中八九いける口だと思われます。

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1981年
2nd アルバム
Heaven Up Here

 評論家筋で一番評価の高いのがこの 2nd アルバム。たった4人が築き上げる音とは到底思えない芸術性です。時に穏やかに時にうなりを上げるエッジの効いた2本のギター、安定性とゆさぶりを与えるベース、疾走感とはまた違う「生命力」とでも呼ぶべき躍動感を注入するタイトなドラム。これらが絶妙なバランスで立体的にかみ合ったバンドサウンドには、深い表現力と張り詰めた緊張感があり、さらには高貴な印象すら感じます。かといって尊大な訳ではなく、ポップさに頼らないストイックな音作りが全編を貫いているのです。冷静さと大胆さを併せ持ったイアンの歌唱は、青白い空間にこだまする魂の叫び。独特の声色でビブラートをかけながら美しく、しかし力強く歌います。陰鬱なムードのなかに熱いものを秘めた傑作アルバム。
注目曲 : #3 「 Over The Wall 」
 冷気の中でほとばしる情熱の炎。Aメロはじっと耐えて、「ダダンダーン」とサビに突入、シビレマス。終盤のイアンの狂気を帯びた歌唱もシビレル。名曲。

Porcupine

 全英2位を記録し、セールス的にピークを迎えた 3rd アルバム。このアルバム、1、2曲目に収められた明るめのシングル曲が全体のバランスを壊している、というのは各所で指摘されている通りです。でもオレは流れに鈍感なのかあまり気にならないし、むしろこの2曲がお気に入りだったりするんだな。もちろんそれ以外の楽曲も完成度は高く、研ぎ澄まされた美しさはこのアルバムでも健在。全体としての方向性に劇的な変化はないんですが、ヴァイオリンやパーカッション(?)など新たな楽器を導入したり、エスニックな旋律が垣間見えたりとサウンドの幅が広がりをみせ、少しだけ雰囲気が開放的になっています。それと前作の「揺らめき」とは違う直線的な勢いをもった曲の存在が際立っている気もします。2nd に引け劣らない充実作。


1983年
3rd アルバム
注目曲 : #2 「 The Back Of Love 」
 1曲目の 「 The Cutter 」 同様ポップなシングル曲。中盤の間奏部の「シュン!シュン!」いう刃物のような音がわけワカラン。ボーカルも半分壊れ気味(笑)