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Enya


 アイルランドより出できたる、言わずと知れたニュー・エイジ界の女王。 アルバムをリリースするたびに、さりげなーく1000万枚売り上げてしまうツワモノです。 いかに現代人が癒しを求めているかよくわかりますね。(いや、のせられているだけかも。) エンヤは作詞作曲はもちろん、鍵盤楽器や打楽器の演奏も自分でこなすし、 おまけにCM音楽の友だし、相当儲かっているでしょうねー。
 それはさておき・・・  幼い頃からクラシック音楽や地元の民族音楽を聴いて育ったエンヤは、 姉モイアを中心に兄弟で結成したアイリッシュ・トラッド・フォークのグループ、 クラナドに一時所属するも、2年間で脱退して、ひとりで音楽活動を開始します。 彼女は自身の声を多重録音することによって独自のスタイルを確立し、 その音楽は1985年のディヴィッド・パットナム監督の映画 『 The Frog Prince 』 の サウンドトラックにて、日の目を見るようになります。 続いて今度は、ドキュメンタリー映画 『 The Celts 』 の音楽を担当し、 その音源をアルバムとして1987年に発表して好評を得ます。 そして翌年には、メジャーデビュー作 『 Watermark 』 が世界で大ヒット。 その後の快進撃は周知の通りでしょう。
 エンヤは、ダブリンに自身のプライベート・スタジオを保有していて その2階の大きなアーチ型の窓からは雄大な自然の風景が一望できるそうです。 ご趣味は散歩と乗馬。貴族かよ。

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1987年
サウンドトラック
推薦盤
The Celts

 事実上のデビュー作。爆発的なヒットまでには至らないものの、本国アイルランドでは発売当時のアルバム・チャートで U2 の 『 ヨシュア・ツリー 』 に続いて2位をゲット。ヨッシャ。厳密に言うと、このジャケットとタイトルは92年に再発されたリマスター盤のもので、収録時間も少し違っていたりしますが、とにかく中身は上述のドキュメンタリー映画 『 The Celts 』 のサントラです。私はエンヤの初期の音楽性に何らかの発見を求めてこのCDをレンタルしました。ベスト盤だけでは汲み尽くせない魅力があるんじゃないかな〜と。が、エンヤはエンヤでした。意外性なーし。まあ逆に言えば、この時点でもう既にエンヤのサウンドが完成していたということでしょう。普通に良いアルバム、ってか個人的には下で紹介してるベスト盤より好きだったりするんだな。後の代表曲 「 Book Of Days 」や 「 Anywhere Is 」 のようなアクティヴ系ポップ・ソングは皆無ですが、程よく肩の力が抜けていてリラックスできます。結論としては、「初期のエンヤは実はハードコア・パンクをやっていた!」なんてことは無いので、熱心なファンの方はご安心してお買い求め下さい。あ、あと歌詞ですが、アイルランド語が多いです。未知なる語感が Good 。ただ、ひょっとするとコッソリ 「 People = Shit!! 」 とか仰っているかも知れないので気をつけて下さい(大嘘)
注目曲 : #6 「 The Sun in the Stream 」
 この「ツベー」って音色の正体は、バグパイプの一種でアイルランドの民族楽器イリアン・パイプスなるものでした。これも哀愁を湛えた素晴らしいメロディーです。

Watermark

 エンヤのメジャー 1st アルバム。ご存知のように世界的に大ブレイクを巻き起こし、ニューエイジというジャンルに多大な注目を浴びせた記念碑的作品です。でもエンヤ本人は自分の音楽をニューエイジ系だと認識してないとかいう話。ヘイヘイ、まあそう硬いこというなよ(笑) さすがアイリッシュ魂、十把一絡げにされるのがお嫌いのようで、なにより。んで音の方ですが、音は変化ありません。やはりインスト曲も多いです。とはいえ、明確に言語を成していなくても、エンヤの「ァ―――」ってな声のベールが幾層にも施されているので、厳密に言えばボーカル曲と言えるかもしれませんが。それはともかくとして、前作の後半部で特徴的だった1分台の小曲は、今作では姿を消しており、殆どが3分台のマーケット対応型曲構造。1分台の小曲の存在もそれはそれで好きでしたがな。


1988年
1st アルバム
注目曲 : #2 「 Cursum Perficio 」
 エンヤ史上随一の暗黒度を誇る曲。二部構成になっていて、前半はバロック調のメロディー進行、後半ではコーラスが迫力を帯びてきます。



1991年
2nd アルバム
Twisted Tenderness

 3年ぶりとなるメジャー 2nd アルバム。全英1位、全米でも最高17位まで上昇し、前作を上回るセールスを記録した代表です。人気の高いシングル曲 「 Caribbean Blue 」 と 「 Book Of Days 」 の存在が大きく、この作品のイメージを決定付けていますが、逆に言えばそれ以外の要素に変化がなく、正直のところ油断すると今エンヤの何枚目のアルバムが再生されているのか分からなかったりします(笑) まあ、この時点でエンヤのブランドは完全に確立されたと言えましょう。時代はオルタナ旋風の真っ只中、その横でこの人も静かに売れまくっていたんですね。
注目曲 : #7 「 Book Of Days 」
 エンヤで最も知名度のある曲の一つではないかと。ベスト盤収録は英語ヴァージョンですが、こっちのオリジナルはエンヤの母国語であるゲール語ヴァージョン。

Paint The Sky With Stars

 『 Celts 』 から 『 The Memory Of Trees 』 までの4枚のアルバムから癒しのエッセンスをエンヤ自ら厳選抽出して、新曲2曲を加えたベスト盤。そんなだから質が悪いわけないです。万が一、品質にご満足いただけない場合は、無償にてご返品承ります、てな感じ。で、アルバムの構成ですが、メジャーデビュー曲 「 Orinoco Flow 」 を筆頭に、前半は比較的ポップで活気のある曲を集め、後半では安らかな眠りを促す仕掛け。ここはさすがにエンヤ先生、ベスト盤とはいえ、ちゃちゃっと時代順に並べたりはせず、よく練られています。歌詞は一部を除いて英語ばっかり。アイリッシュ魂フルスロットルのエンヤ先生もさすがにグローバリゼーションの波には屈したと思われる。それでもどの曲も水彩画のように透明感のある美しさで、アイルランドならではの大自然と澄んだ空気を満喫しているような気分。素晴らしい。一家に一枚、癒しの CD。


1997年
コンピレーション盤
注目曲 : #5 「 Only If... 」
 シングルとして発表された新曲。3rd 収録の 「 Anywhere Is 」 に近い、ポップなメロが際立つ躍動感ある曲です。