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Front 242


 1981年結成のベルギー出身の EBM ユニット。というか、EBM ( Electronic Body Music ) というジャンルの提唱者がこの人たちです。 93年以降はしばらく活動停止状態が続いたようですが、 2003年に復活して新作も発表しました。この点、Skinny Puppy なんかにも似てる。

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1987年
3rd アルバム
Official Version

 3rdアルバム。一定のリズムで淡々と刻まれるボディビートを柱に、エレクトロニクスやサンプリングで控えめに装飾された、まさにオールドタイプの EBM ワールドです。どの曲もどの曲もズン、タン、ズン、タンって同じような BPM なもんで、これはつまり、そう、単調なんです。それじゃあツマンネーのかというと、全然そうでもなくて、各所で冴え渡る味付けの妙にグイグイ引き込まれて、ふと気が付くとパソコンと睨めっこしながら何周もループ再生しているという(キモイ)、麻薬的な効能があるんじゃないかと。EBM 好きなら Ministry の 『 Twitch 』や Front Line Assembly の 『 Caustic Grip 』などと併せて抑えてみたい 80年代 EBM の名盤です。まあしかし、この手の音楽に興味がない人にとっては、マニアックすぎて退屈極まりないかも。
 あと、このCDジャケいたくお気に入り。1st 〜 4th のシリーズで、この配色がオレ的に一番。デスクトップ壁紙に設定したいなあ。
注目曲 : #7 「 Quite Unusual 」
 無機的なアルバムの中で、あれれ? この曲だけボーカルが微妙に哀愁メロ。 叙情的だ!(笑)

Front By Front

 4thアルバム。こちらも前作 『 Official Version 』 と双璧を成す80年代 Front 242 の代表作です。ぶっちゃけ前作と大差無いのですが、全体的にシンセの装飾音が少し豪華になってて、メロディー的にもキャッチーさが微増、漲る熱量もアップしていると思います。あと、ボーカルナンバーの充実。前作でのボーカルは他のサンプリングと同等レベルの存在感でしたが、このアルバムでは何曲かでサウンドの前線に躍り出てきっちりメロディーを歌っています(爽やかさは皆無ですが・・・)。アルバム展開的にも、曲ごとに緩急ついててそこそこ多彩。逆にマニアックで麻薬的な魅力という意味では前作の方に軍配が上がるかもしれません。いずれにせよ、オールド EBM の代表的作品です。


1988年
4th アルバム
注目曲 : #7 「 Headhunter V3.0 」
 たぶん Front 242 で1、2を争う有名な曲。シングル曲となって何種類かヴァージョンがあるようですが、躍動感あるリズムといい、キャッチーで力強いメロディーといい、素晴らしいです。



1991年
5th アルバム
Tyrrany For You

 5thアルバム。従来のスタイルを踏襲していますが、これまでとは少し雰囲気が変わって、ダークで不気味で沈み込むような世界観。それでいてリズムは結構ノリノリ。タイトルの 「 Tyranny 」 という言葉通り、邪悪な専制君主が圧政によって民衆を急がず、しかし確実に苦しめるようなイメージで、シンセ音もどことなく威圧的な感じがします。ボーカルも濁声ザワザワで、ポップな親しみやすさは減退しているので、評価が分かれるところですが、個人的には見事にツボで、既聴の Front 242 のアルバムで一番お気に入りです。ちなみに国内盤CD の紹介文はあの布袋寅泰が手掛けており、彼のコメントを引用すると「一聴すると気分がダウンしていく感じがするのだが、一旦音の中に飛び込んでしまうと逆に覚醒していく自分に気づく」とのこと。布袋さん、EBM もお好きなんですねぇ。
 あと、ジャケ裏には曲ごとの BPM がいちいちご丁寧に記載されています。ビート命。
注目曲 : #6 「 Tragedy For You 」
 ダークでマニアックでノリノリと三拍子揃った名曲です。メロもキャッチーで、曲の終わり方も楽しい。

Mixed By Fear

 5th アルバム 『 Tyrrany For You 』 の5曲目 「 Gripped By Fear 」 及びそのリミックス+その他、計8曲を収録した EP ・・・扱いでいいのかな? つーかこのCD、当サイトで紹介しているアイテムの中でもずば抜けてマニアックです、ハイ。・・・コレはですね、むかーし中古CD を物色しに久々に都心に赴きまして、その際に購入した代物なんです。「ワー、Front 242 めーっけ、しかも安い。いつの作品か知らんけどオリジナル・アルバムなら何でもドンと来い!」ってタダそれだけ、何も考えず衝動的にレジに持っていったんですよ。んでもって後で調べてみると、リミックスじゃねーか、うゎ超イラネー!!(笑) ・・・まあ、下調べしなかった自分が愚かだったと言えばそれまで。そうでなくても、タイトルに 「 Mixed 」 って単語がある時点で気付こうよ自分。まーでも、知ってる曲のリミックスであっただけまだマシだな、と思う次第です。  あ、中身はですね、・・・ハイ、マニアックです。雰囲気は 『 Tyrrany For You 』 と変わらない薄気味悪さ。冷徹にノリノリな時間帯もあれば、アンビエントなパートもあったり。ボーカルの出番は殆どありません。この手の音が好きなので、楽しめない訳ではなかったですよ。けれども、オレ的に現時点で購入するCD としては、優先順位低すぎました。


1991年
リミックス EP
注目曲 : #4 「 This World Must Be Destroyed (Dsm03) 」
 いやはや、この曲のマニアックさは半端じゃないなあ。得体の知れないノイズで幕を開け、その後は、真夜中にひっそりと静まり返ったマンション内の殺人現場に恐る恐る足を踏み入れる際の BGM。



1993年
6th アルバム
06:21:03:11 Up Evil

 準備中
注目曲 :
 

05:22:09:12 Off

 6th アルバムと同年リリースの 7th アルバム。ジャケもタイトルも似ているから、姉妹作的な扱いなのかしら? まあそれはさておき、このアルバムも前作の脱 EBM 路線の延長で、サウンドも今風で華やか、音数多め。アンビエント風に宇宙空間を漂う時間帯もあれば、高速ビートでハイテンションな曲もあり、以前のようなダーク系 EBM も飛び出します。ガチガチのインダス風だったりキラキラのエレクトロニカ風だったりと音色も様々で、一定の枠に囚われない自由な展開。良く言えば多彩、悪く言えば雑多。・・・んまあ、ちょっと統一感に欠けるかな。あとボーカルですが、今作では例のダミ声以外に、綺麗なメロディーを奏でる女声ボーカルが何曲かでフィーチャーされています。それでも全体としては、抽象的・観念的で難解な作風だと思いました。


1993年
7th アルバム
注目曲 : #5 「 Junkdrome 」
 この曲はそこそこ好きかな。プラネタリウムの BGM みたいな静かな前半を経て、後半は打ち込みビートが Cool かつ Hot に盛り上がります。