Skinny Puppy に一時期在籍していた Bill Leeb が結成したカナダ出身の EBM ユニット。20年以上のキャリアを誇り未だバリバリ第一線で活躍する大御所です。 Delerium を筆頭に、サイドプロジェクトも複数掛け持っていて忙しげ。 |
1990年 5th アルバム 推薦盤 |
Caustic Grip 5th アルバム。EBM の傑作として挙げられる FLA の代表作です。ムチのようにビシビシと打ち鳴らされるタイトなボディビートに、不気味系エレクトロニクスやサンプリング、そしてディストーションを効かせた Bill Leeb の邪悪な濁声ボーカル。全体的に BPM が高めで、緊張感を湛えたオールドスタイル EBM 満載のアルバムです。『 VIVIsect VI 』 あたりの中期パピーが好きな人ならとりあえずオススメ。今の感覚からすると、楽曲のアレンジはシンプルかつ旨み控えめで、ループ状の展開が多いので、地味な印象は拭えませんが、ジワリと盛り上がるサビでは耳に残るフレーズも多く、ストイックさと親しみやすさのバランスに優れた一枚です。あと、この時点で既に後期 FLA と変わらない「ゴス+ SF +ケミカル(?)」な雰囲気を醸しだしているんですね。 |
注目曲 : #5 「 Provision 」 サビで現れる哀愁シンセが印象的。パピーでいえば 「 worlock 」 系だな。 |
Tactical Neural Implant 6th アルバム。前作のイメージを持ったまま聴くとちょっとガッカリ。何つーか、毒にも薬にもならないマッタリ系 EBM になってしまいました。全体的に BPM が低下してるし、おまけに音の輪郭までボヤけてしまって、特にスネア音の迫力が半減。ただでさえループ状の展開が多いのに、サウンドのカッコ良さが失われたら、まさに退屈ってやつです。あの張り詰めた空気は一体何処へ・・・。 Bill Leeb のボーカルもちとテンション低めですな。とはいえ、アレンジの幅は若干広がった気もするし、メロディーセンスにしても決して悪くなく、後期 FLA への準備段階といった面持ちの作品。 |
1992年 6th アルバム |
注目曲 : #7 「 Gun 」 このアルバムの中ではスピード感、攻撃力共にある方。前作に混じっていても違和感なさそうです。 |
1994年 7th アルバム |
Millennium 管理人の FLA 初体験の 7th アルバム。当時駆け出しだった Devin Townsend をゲストに迎え、大々的にメタルギターを導入した意欲作です。予備知識を持って入手した私は全然オーケーですが、リアルタイムで聴いたファンは、のっけから炸裂するゴリゴリギター音に仰け反ったでしょうねぇ。これは紛れも無くインダストリアル・メタルであり、純然たる EBM と比較すると音の骨密度は高め。とはいえ、ギターさんはソロはおろか、メロディアスなリフも殆どやらず、厳選されたコード進行を支えるという、極めて地味な仕事に徹しているので、EBM らしいビート感覚は十分保たれています。ピコピコと近未来的なムードを演出したり、ストリングス調でゴス風味を加えたりするシンセの存在やサンプリングも含め、全サウンドの一体感というか向心力も素晴らしいのでは。演奏のテンションが高くスピード感に溢れる #2 〜 #4 の流れは特に気に入りました。著しく突出したセールス・ポイントに欠けますが、洗練された高品質な EBM featuring ギターノイズが満喫できる、なかなかの良作です。 |
注目曲 : #6 「 Victim Of A Criminal 」 奇妙な笑い声がループしとるなぁと思ったら、突如ボーカルが派手にラップを始める異色トラック。あんた、今までのザワザワ声は何だったの?てな勢いですが、まあ余興でしょう。(オイ) サウンドは従来通り。 |