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Korn


 ジョナサン・デイヴィス率いるカリフォルニア出身のトラウマ・ヘヴィロック・バンド。1993年の結成以降、Pantera や Helmet に続くモダンヘヴィネスの急先鋒として頭角を現し、時代を先取りしたヘヴィサウンドで商業的成功を収める傍ら、Limp Bizkit を世に輩出するなどヘヴィロック界のパイオニアとして一時代を築きました。

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1996年
2nd アルバム
Life Is Peachy

 当時のモダン・ヘヴィネスの最先端を行く出世作 2nd アルバム。ギタープレイなどが示す80年代的な HR/HM の要素を排した音作りは、Pantera や Helmet の影響下だと思われます。が、Korn にはあって彼らに無いのが、体内に蓄積され消化できずにいるような負のエナジー。これが時々堪えきれずに爆発するのですが、その象徴たるジョナサンのボーカルは、Aメロ Bメロでは精神病患者さながらじりじりと苦しみもがき、サビでは発作のように咆哮。そんな苦悶と絶望でグツグツ煮えたぎるヘヴィロックの釜に、スプーン1杯のヒップホップのエキスを加えて発酵させたのが Korn のスタイル。このアルバムの発表以降、Limp Bizkit (1997) System Of A Down (1998) Slipknot (1999) Linkin Park (2000)と、1年おきにラップを導入した大物バンドがデビューしていて、その点ミクスチャーの加熱剤としての意義も大です。あとジャケも含めて、作品全体に漂う不吉な雰囲気やドアが軋むようなギターの音は多かれ少なかれゴスの影響で、冒頭と末尾を飾る言語を無視した絶叫は一般のリスナーを近寄らせない気味の悪さ。
注目曲 : #11 「 A.D.I.D.A.S. 」
 シングル曲。それだけあってサビメロが分かりやすくカッコいい。

Follow The Leader

 しばし沈黙の後、13曲目からスタートする 3rd アルバム。前作の成功で自信をつけたのか、タイトル通り「俺について来い」ということで(?)、アイス・キューブやリンプのフレッドなど豪華ゲストが入り乱れパーティーモードです。メロディアスになったボーカルも含め、前作と比べて明快で分かりやすくなった本作の楽曲群。これには多少古参のファンからの反発もある模様。でも決して悪い意味でメインストリームのロックに成り下がっている訳ではないと思います。堂々たるヘヴィサウンドやダークな雰囲気は十分堪能できるし、「俺たちコーンをヨロシク〜」みたいな、誰かに媚びている様子も無し。バランス感覚とヘヴィロックとしての普遍性、これが本作で獲得した新たなブランド力でしょう。


1998年
3rd アルバム
注目曲 : #15 「 Got The Life 」
 実質3曲目のメロディアスなシングル曲。ハットの裏打ち連発でノリノリなコーン!



1999年
4th アルバム
推薦盤
Issues

 前作に続いて全米チャート1位に送り込み、ヘヴィロック界の王者としての地位を不動のものにした4作目。 お得意のバグパイプをフィーチャーしたコーラス曲で幕を開ける本作は、 これまで同様に激重リフを豪快に炸裂させながらも、ジョナサンの鬼気迫るボーカルは若干影を潜め、 普通声で奏でるサビメロが耳に残るようになりました。 首のもげたぬいぐるみと一緒に暗い部屋に置き去りにされるような惨めなムードの中、ドロドロと膿み出されるトラウマチックなメロディーの数々。これが個人的にかなりツボでして、 ジョナサンの「鬱」「悩」といった心境を描くメロディーメイカーとしての非凡ならぬセンスが発揮された一枚だと思います。 1分前後の半インスト曲を効果的に挟んだアルバム展開もあり、曲数の多さはそれほど感じさせません。 管理人ははっきり言って、Korn はこのアルバムが一番好きなんです。 次作以降はやや音楽的に停滞が目立つ気がするし、3rd はちょっとヒップホップに傾き過ぎなのよね。 ちなみに 1st アルバムだけは唯一未聴です。なんかキモチ悪いそうだもん(笑)  まあしかし、これほど病んでるアルバムが1位になるなんて、アメリカも相当病んでるなあ。
注目曲 : #6 「 Make Me Bad 」
 微妙に希望が見出せるサビメロがイイ。ベストトラックです。