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Marilyn Manson




1996年
2nd アルバム
Antichrist Superstar

 2nd アルバム。文字通りスーパースターになってしまった大出世作で、 この辺からマンソンさんはアメリカの保守オヤジたちから忌み嫌われる最重要危険人物に成り上がりました。 徹底した好戦的態度が彼の表の顔だとしたら、裏の顔は社会から理解されない孤独な寂寥感。この両面的性質が楽曲にも反映されていて、 激しい曲では彼の怒りがわかりやすく爆発するし、大人しめの曲では救いようのない重苦しいムードが充満。 デビュー作、その次の EP に続いてプロデュースには NIN のトレント・レズナーが参加。サウンドはインダストリアル色が濃く、 質感は NIN の 『 The Downward Spiral 』 に近いものがあります。ギターの比率はこっちの方が全然多いかな。 マンソンさんは悪の七色ボイスの持ち主で、発狂声、怒鳴り声、爬虫類声、裏声、ひそひそ声、泣き声、普通声を自在に使い分け。 でもアルバムも後半に進むほど段々テンションが落ちてませんかマンソンさん? 曲数が多いのもあって、こっちの集中力がキビしくなってくる。 あと、スピードが遅めなのもオレ的に惜しい。Slipknot みたいにスカッとやってくれればもっとハマるのになぁ。 まあ遅い分、執念深さ(?)は UP しているので良しとするか。
注目曲 : #2 「 The Beautiful People 」
 狂気がじわじわこみ上げてくる感じ。リズミカルなリフがクセになる。

Mechanical Animals

 トレントと袂を分かち制作された 3rd アルバムは、堂々全米1位獲得。 とはいえ、あのブチキレた前作と比較すると、全然テンション低めでダウナーなムード。 #4 「 Rock Is Dead 」や #7 「 Posthuman 」など一部のダンサブルな曲を除けばテンポはスローで、死体をズルズル引き摺るような重たい足取り。 マンソンさんも今回は殆ど吼えてません。ただダルそうに唸るばかり。それじゃあ聴けないダメダメ盤なのか?といえば、そうでもない。 メロディーは以前より洗練されているし、全体として親しみやすさも向上。そして何より、 磨きのかかったこのドロドロ感はマンソンさんにしか醸し出せないムード。湿った感触のエレクトロニック・サウンドも聴き所です。 良い曲も多く、耽美的なゴシックサウンドを突き詰めた作品と解釈すれば十分楽しめます。個人的には前作と同じくらい評価してます。


1998年
3rd アルバム
注目曲 : #4 「 Rock Is Dead 」
 映画 『マトリックス』 のサントラにも使用されたデビッド・ボウイばりのグラム系楽曲。「ランランララララ〜♪」のフレーズがポップでノリノリ〜。



2000年
4th アルバム
Holy Wood

 ライブ盤を挟んでの 4th アルバム。実は 『 Antichrist Superstar 』 から本作までの3作品は三部作シリーズでした。 んで、このアルバムが三部作の序章にあたるとかで、『 Anti〜 』 はその最終章という設定。・・・どーでもいいけど。 作風は前作と前々作を足して2で割ったようなイメージで、楽曲はさらに洗練され、バラエティも豊富。 マンソンさんのシャウトも復活して、それなりに攻撃サウンドを展開しつつ、他方でそれなりにドロドロもしてます。 まあ、逆に言えば新鮮味に乏しく、マンネリ化が進んでいるとも言えるな。全19曲+ボートラ2曲というボリュームも消化不良気味。 4部構成のコンセプト・アルバムという理由もあるだろうが、にしても多すぎ。スローな後半はグダグダです。 セールス的には全米13位と惨敗だったらしい。でも決して駄作ではないですよ。
注目曲 : #4 「 Disposable Teens 」
 「 The Beautiful People 」や 「 Rock Is Dead 」 の直系ともいえる、エンヤトット♪エンヤトット♪ ってな、あのリズム。このギターリフはハマります。