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Napalm Death


 英国バーミンガム出身のグラインドコア・バンドで、デス/グラインドといったエクストリーム・ミュージックに多大な影響を与えた偉大なる先駆者。80〜90年代の Earache Records の看板バンドであり、最近は Century Media Records に所属しているようです。82年の結成以来、様々な人物が流動的にバンドに出入りしており、87年の時点ではオリジナルメンバーは皆無になってしまいましたが、現在もバンドは第一線で活動中。どうせなら、激速野郎が集まる音楽プロジェクトという形態で、ナパーム・デスというバンド名を永久に守り続けて欲しいものです。

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1988年
2nd アルバム
From Enslavement To Obliteration

 おそらく1988年時点でのパンク界、いや、全ロック界における最高速アルバム。新しい時代の幕開けです! 当時のメディアもさかんに取り上げたそうで、本作は英国のインディチャートでも2位まで上昇したらしい。1曲目こそスローで重厚な滑り出しですが、2曲目からはもう見事なまでにグラインディングしまくってます。無論ドラムは生演奏。ボーカルは意味不明なデス声で吠えまくりだし、ギターは限りなくノイズに近いし、ドラムも一つの音と音の間隔が短すぎるので、全体としてこもった感じのサウンドです。「曲=雑音」な印象。だからスレイヤーみたいにスカッとしませんね。まあ今となってはブラストビートなんて新しくも何ともないけど、当時コレ聴いた物好きな若者たちは、さぞかしブッたまげたことでしょう。
 ところでなんですが、このアルバムの24曲目は6秒、25曲目は5秒。つまり「ワー!(ポコポコ)」で演奏終了。・・・これってどうよ? なんだか騙されている気がする。
注目曲 : #11 「 Display To Me... 」
 序盤の3拍子っぽい速打ちリズムが新鮮。ただ速いだけじゃないのです。

Fear Emptiness Despair

 5th アルバム。スピードではなくヘヴィネスを追求した中期ナパーム・デスの第一歩となった作品だそうです。蓋を開けてみると、所々で準備体操のようにブラストしちゃってたりと決して侮れないのですが、確かに全体としてはそんなに速くないです。畳み掛け、こね回し、鍛え上げるような、粘り強いグルーヴ感。リズムチェンジ多し。ギターノイズやボーカルの低い咆哮と相まって複雑な音の塊を形成しています。ただし、ギターサウンドは以前と違って確実に音階を追っている様子で、よくよく聴くとノイズの中にユニークなメロディーが浮かび上がってくることも。ある本には「コクトー・ツインズやマイブラにも通ずるメロディアスな音をミックスした・・・」なんて記述もありました。が、まあアレですわ、果汁3%程度。小さじ1杯のオレンジジュースを混ぜても毒薬はやっぱり毒薬だろ、てな勢いで、これは普通にイヤーエイクなアルバムです。速いだけがナパーム・デスじゃない、ということを体感できる貴重な一枚ではあります。なお、ボートラにはデッケネのカバー曲や、謎の打ち込みダンスビート楽曲を収録。


1994年
5th アルバム
注目曲 : #6 「 Primed Time 」
 イントロからブラストしてますがギターの旋律が非常に個性的で気に入りました。