1989年結成のイギリスを代表するインダストリアル系ロックバンド。 Mark D. (Bass/Vocals) と Jon S. (Backing Vocals) の Clayden 兄弟がバンドの中心人物です。 初期はアンダーグラウンドらしいデス&ヘヴィなサウンドでしたが、 途中からフロア対応なサイバー・ロックに路線変更。 バンド名は98年のメジャーデビューに伴って 「 Pitch Shifter 」 から 「 Pitchshifter 」 に変わっています。 2003年に一旦解散しましたが、最近どうやら復活した模様? |
1993年 2nd アルバム |
Desensitized 2nd アルバム。御大ナパーム・デス率いる弱小名門インディ・レーベル、イヤーエイクから発売されています。 何気にインダス系も扱っていたんですね。さすが大英グラインド一族の血を継承するバンドだけあって、 一般人を幸福にさせる音は一切出してくれません。容赦ない激重リフの反復に、うねるベースラインの音圧地獄。 おかげで音の重心が低いのなんの。ボーカルも半デス声で吼えまくり。 しかし、単にエクストリーム・ミュージックで終わらない深さがありますね。 ポスト・ハードコア(というかグラインドコア)な激音を基本としながらも、 レーベル・メイトの Cathedral のようなドゥーム・メタル的なアプローチや、 ギター・ノイズなどシューゲイザー的な空間演出力も内包しており、ヘヴィとはいえ音に少しまろやかさがあります。 生演奏に混じって多用されるサンプリングも荒廃的なムードを引き立てる効果的なスパイス。 このサンプリングのセンスや冷徹なギターサウンドは、なるほどミニストリーにも近く、 「ポスト・ミニストリーの最右翼」 と称されるだけあります。ただ表面的には似ていてもルーツはちょっと違いますな。 まあそれはさておき、可能な限りイヤーエイクな大音量で骨太グルーヴを満喫しましょう。 |
注目曲 : #11 「 N.C.M. 」 突進系ハードコア曲。スピードアップする直前のスネア連打が好き。それ行けー! |
Infotainment? 同レーベルから発売された 3rd アルバム。たった315円で落ちていたので、 半チャーハンセットにグレードアップする要領で 2nd アルバムと一緒に買ってきやした。 このアルバムは、バンドの代表作である次作に向けての過渡的な作風で、 ザクザク切れ込んでくるヘヴィリフやベースの存在感はそのままですが、以前と比べると音の重心がはるかに高くなっています。 その要因は間違いなく、様変わりしたリズムトラック。 BPM が全体的にやや上がっていることや、スネア音が軽くなっただけでなく、アルバムの至る所でジャングル的なリズム感覚が芽生えており、 バンドがアンダーグラウンド・シーンからフロア・シーンへと標準を移しつつあったことが窺えます。 サンプリングボイスや電子音も盛り沢山で、サイバー度は前作以上。 ボーカルも半デス声は守りながらもたまにメロったりも。 でもあくまでがなり声で音程をなぞっているのでポップな歌メロではありません。そこは発展途上。 なお、このアルバムの末尾には様々な音源サンプルが収録されています。 |
1996年 3rd アルバム |
注目曲 : #3 「 (We're Behaving Like) Insects 」 ジャングルビートを取り入れたリズムトラックと強力なリフのコンビネーションが Good 。 |
1998年 4th アルバム |
www.pitchshifter.com バンドの最高傑作とされる 4th アルバム。この作品からメジャーに移籍、2ndの頃のアンダーグラウンドなサウンドを完全に打ち捨て、 陽気で親しみやすいサイバーパンクバンドへと派手に変身を遂げました。 サンプリングを交えて機械化されたリズムトラックはャングルビート&ドラムンベースの嵐で大忙し。 ギターは相変わらずヘヴィでうるさく鳴ってますが、スピード感が一気に向上しているせいか以前よりパンキッシュな印象。 とにかくノリノリでやんす。ボーカルにしても昔のマッチョながなり声は何処へ行ってしまったのか・・・てな勢いで、 何つーかチャラいアニメ声に様変わり。全体としてはインダストリアル・メタルというよりは、プロディジーとかケミカル・ブラザーズに近い感触で、 あっちの UK デジロック勢は守備範囲外の管理人的には、このアルバムにはあまり馴染めませんでした。 それでも完成度は高いですね。あと、このアルバムにもラストに音源サンプルが収録されています。フリー素材。 |
注目曲 : #9 「 A Better Lie 」 ハイスピードで楽しいね! カモンカモンカモンカモンー! |