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Soilwork


 メロデス界でトップクラスの知名度を誇るスウェーデン出身の5人組。同国同系列のバンド Arch Enemy の後を追うように出世した感じですが、バンドの歴史は Arch Enemy より古く、95年から97年までは Inferior Breed という別名で活動していました。98年の 1st アルバム以降毎年のように作品をリリースし続け、最近は少し落ち着いてきた様子。
 ボーカルの Björn "Speed" Strid は Terror 2000 というサイドプロジェクトも掛け持っており、この他 Disarmonia Mundi の 2nd アルバムと 3rd アルバムにはゲスト参加しています。あとどうでもいいけど、Björn の妻は日本人だそうで、それも関係しているのか、あるいは関係していないか、バンドの公式ホームページは日本語バージョンも用意されています。ありがたい。文体は微妙に「翻訳しました調」ですけど。

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1998年
1st アルバム
Steelbath Suicide

 準備中

The Chainheart Machine

 2nd アルバム。ビョーンのボーカルがデス声ではなくシャウトに近いという点を除けば、この頃はまだ「メロデス」という表現がピッタリはまる音楽性で、激速な前傾姿勢でガンガンきます。目の覚めるようなデスラッシュ・チューンの連続攻撃でブッ飛ばされます。後の作品と比べると、ギターの仕事はエモーショナルな旋律を紡ぐことよりは、スピードを際立たせるアタック感が強め。それでも単に激しいだけの曲は一つもなく、どの曲も一旦テンポを落としてギターが雄大に美しく奏でるパートを備えており、これを薄っすら張り巡らされたシンセストリングの音色が巧みに引き立て、楽曲にマイルドな聴きやすさを与えています。Aメロなどかっ飛ばすパートは壮絶に、展開部で聴かせるパートはじっくり豊かに。リズムチェンジを伴って大きく展開する曲中においても、パートのつなぎ目が自然で流れがスムーズです。さすが北欧メタルの遺伝子を受け継ぐだけある、ということでしょうか? とにかく傑作アルバム。


2000年
2nd アルバム
注目曲 : #1 「 The Chainheart Machine 」
 ノイジーな打撃音に始まり、噴出すような激速Aメロ、そしてブラストする奇麗なサビへ。ギターソロが聴かせる後半の展開部の流れも素晴らしい。ビョーンかっこええ〜。



2001年
3rd アルバム
A Predator's Portrait

 3rd アルバム。デスラッシュな快速パートが少しだけ後退して、ガガッと迫るモダン・ヘヴィネス譲りのギターの感触が目立つようになりました。ビョーンのシャウトも以前よりドスが効いているし、スネア音も若干重くなったこともあって、サウンドの破壊力は前作以上です。その一方でシンセストリングスの味付けは濃くなっているし、ギタープレイによる叙情性の扇動力も確実に向上。さらに、新たに何曲かのサビでは、ビョーンが普通声で歌メロを奏でるようになりました。まだまだアクセント程度のレベルですが、これが意外にキャッチーで、楽曲の個性は強くなったし、ライヴで観客が一緒に合唱できるという利点も生まれたはず。後期作品のように、メロディー重視の傾向の端緒を無理なく開いた価値は大きいでしょう。逆に言えば、初期の荒々しい作風が好きだったファンにとっては、このアルバムあたりから「あれ、少し違うかな」という感想を持ったかもしれません。それでも多角的に成長したサウンドの魅力やアルバム全体の完成度など、総合的な評価としては前作を凌駕していると思います。
注目曲 : #1 「 Bastard Chain 」
 Aメロは疾走、サビは変拍子に乗せてギターメロが上下に大きく波打つ。ここすげぇカッコイイ。

Natural Born Chaos

 メタル界でマルチに活躍する奇才 Devin Townsend をプロデュース(一部の曲ではバックコーラスも担当)に迎えた 4th アルバム。これまでバンドの攻撃面を特徴付けていた2ビートのスラッシュパートは姿を消し、代わって美麗なコーラスを大々的にフィーチャー。ここらでバンドが転換期に差し掛かっていることが窺えます。サビでのビョーンの歌メロ率はほぼ100%。さらに出番が増えたキーボードは背後から硬質なギターサウンドを包み込んだり、ピコピコと泳いで空間を演出したりと自由自在。特に複層的なコーラスパートと溶けるように一体化するときの美しさは新境地です。サウンドの破壊力自体は失われていませんが、アンダーグラウンドでデスメタル特有の残虐性はやや薄まり、一般受け(メタル界限定ですけど)の良いメロディー志向に傾倒しているので、近年の彼らの音楽性は「メロデス」ではなく「エクストリームメタル」と表現されたりもします。ややこしい。しかし、このアルバムは流しっ放しにしても心地よいヘヴィネスを存分に満喫できるし、曲単位でじっくり聴いてもどれもクオリティ高いなあ。スラッシーでなくても、これなら満足です。


2002年
4th アルバム
推薦盤
注目曲 : #7 「 Black Star Deceiver 」
 サビのコーラスはこの曲が一番良かったかな。美麗ハーモニー満載なアルバムです。



2003年
5th アルバム
Figure Number Five

 今度はセルフプロデュース、5th アルバム。引き続きスピードではなくメロディーに焦点を当てた作風からは、「もう 2nd の頃には戻らんぞ」というバンドの姿勢が明示されているかのよう。基本的にどの曲もデス声シャウトのAメロと歌メロのサビの対比を強調した展開で、前作の資産はしっかり受け継がれています。お得意のキャッチーな哀愁メロディーは抜群に安定していて手馴れた感じさえも。だが、前作と比べるとサビでの重厚なコーラス&シンセによるコーティングは控えめになっていて、サウンドの奥行きが若干弱まってしまいました。それと、いつの間にかギターソロの存在感が希薄になっています。2nd と比べてみるとその差は歴然ですよホント。要はヘヴィロックに接近したってとこか。メロデスらしい華は無くなり気味で、無難というか手堅いというか、そんな印象。でも今回も十分に良作ですよ。コンパクトでテンポのよい楽曲は粒揃いと言っていいし、ビョーンも多彩なボーカルで聴かせてくれます。この人、どんな声出そうがイイ声しとりますわ。
注目曲 : #10 「 Distortion Sleep 」
 軽快な疾走感。この元気100倍なサビメロはハマります。

Stabbing The Drama

 準備中


2005年
6th アルバム