1988年 6th アルバム 推薦盤 |
Daydream Nation オルタナ界のドン、ソニック・ユースがインディ・シーンでの評価を確固たるものにした名盤 6th アルバム。 ソニック・ユースの音楽は不協和音満載でマトモに旋律を追えない故に最初は取っ付き辛い印象を抱くけど、 一旦音の中に入ってしまうと抜け出せなくなる底なしの魅力に溢れていると思います。 同じリズムやギターコードばかり繰り返したとしても、「退屈」ではなく「心地よい」と思わせる力。この陶酔感は並々ならぬものがあります。 何気ないパンク・ロックでスタートしたのに、気が付くとドラムが鳴り止んでいて美しいギターサウンドだけがとめどなく流れていたり、 それがいつの間にかノイズの嵐に変わっていたり。しかもちょっとボーっとしているとアルバムが終わってたりする(笑) 曲のある一部だけ切り取るとそこいらのバンドと大して変わらない音を出しているのに、 全体として捉えるとそこには他にはない魔法のオーラが漲っているような。 特に本作の場合は、このフレーズがとか、このサビメロがとか、そういう細かなことはあまり気にせず、 1曲1曲つまみ食いするよりも、流れを止めずに最初から最後までフワリと聴き通すことを強くオススメ。 |
注目曲 : #4 「 'Cross The Breeze 」 はやぃ! ソニック・ユースは2ビートをあまり使わないだけに、急き立てられるような、ただならぬ空気です。キム姉さんカッコ良すぎ。 |
Goo 満を持してメジャーに移籍、その第一弾アルバム。 全曲が PV まで制作されて商業的にも成功を収めた作品で、オルタナ界へもたらした影響力は計り知れません。 作風としては、ソニックユースがソニックユースたるべき、変則的でノイジーなバンドサウンドや、音階にとらわれない歌唱など、 根底的なところに変化はありませんが、全体として幾らかラウド&ヘヴィになりました。 あと 「アヴァンギャル度」 もアップ。ノイジーな中にも静けさと整合性が感じられた前作と違って、 本作はガレージパンクとでも呼ぶべき、激しく荒れ狂うギターが印象的。緊張感というよりは四方八方に弾けまくるダイナミックな展開で、 うわぁドタバタしてるな、と思ったら、意外と解りやすいメロディーもあったりします。 ともすれば散漫に陥りがちな作風でも、統一感は失われていません。 |
1990年 7th アルバム |
注目曲 : #6 「 My Friend Goo 」 キムのボーカル曲。ソニック・ユースにしては激ポップ。サビでの男どもの気の抜けたコーラスもイイ。 |
1992年 8th アルバム |
Dirty メジャー第二弾、8th アルバム。時代はオルタナ・グランジ・ブームの真っ只中、 大雑把に言えばこのアルバムもグランジ・ロックの範疇に括ってしまっても良いんじゃないかと。 サウンド的にはアヴァンギャルドな前作路線をそのままに、さらに歪みを増したギターノイズが猛威を振るっています。 ベタな表現を許してもらえば、タイトル通り 「ダーティ」 な音。ポップ性や美しさよりもアグレッシヴであることに重きを置いています。 その傾向をより一層際立たせているのが出番の増えたキムのボーカル。今作における彼女の毒を吐くような激しい口調は、 バックの音に負けることなく火花を散らしています。ファンの間で最高傑作の一つに挙げられるこのアルバムは、 ソニックユースのキャリアにおいて商業的に最も成功した作品。といっても、せいぜい数十万レベル。知名度は数百万レベル。オルタナのボスですな〜。 |
注目曲 : #4 「 Drunken Butterfly 」 結構人気の曲じゃないかな。「 I Love You! 」 とまくし立てるキムの口調がコワイ。バックの演奏はもうノイズの塊。 |
NYC Ghosts & Flowers 次作からバンドの正式メンバーになるジム・オルークをプロデューサーに迎えた 12th アルバム。 驚くことに全編しめやかなムードに包まれています。まるでお通夜参列の BGM 。ボーカル担当の皆さんも元気ないし、 ギターの音圧も全然低いし、テンポもスローペース。とことん非パンクロック。てな具合に、終始テンション低めなアルバムなんですが、 それでも何箇所か演奏が盛り上がるところがあって、そこではノイズもバッチリ効いてるんですね。不協和音も満載。 やっぱりソニックユースは前衛ノイズ集団でなきゃ。分かりやすくポップだったり疾走したりする曲が存在しないので、 街中を歩きながら iPod で一曲再生するような楽しみがないのは難点といえば難点か。しかし、これはこれで良い。 このしめやかなムードはバンドの引き出しの一つだと思うし、完成度も非常に高い。どんな作風になろうと、 一枚のアルバムとしてしっかり聴かせてくれるのがこの人たちのスゴさ。 個人的には、本作はソニックユース流ゴスアルバムと勝手に解釈しています。 |
2000年 12th アルバム |
注目曲 : #6 「 Streamxsonik Subway 」 ギターリフのポンコツなメロディーが良い。オバケとか出てきそう。 |