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SPK


 精神病院の看護人であったグレアム・レベルと患者であったニール・ヒルの2人によって 1978年に結成されたオーストラリア出身のインダストリアル・ノイズ・ユニット。 ユニット名の SPK とは Sozialistische Patienten Kollektive = 社会主義患者集団の略称。 Throbbing Gristle らと並んで、インダストリアル音楽の黎明期を支えた存在ですが、 1983年にヒルが自殺して以降は、商業的なダンス・ミュージックに傾倒していったそうです。 あと、毎回のように CD のアートワークがグロテスクで悪趣味極まりないです。

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1980年
1st アルバム
Information Overload Unit

 なんか頭に穴があいちゃってるジャケが大変な 1st アルバム。 先に 2nd アルバムを聞いて、こちらも手を出した次第ですが、キューとか、ジーとか、ブィーンとか鳴りっ放しで凄かったです。 機械的で耳障りな電子音の波動に神経をやられ、暴力的なメタル・パーカッションの乱打に耳を痛め、 怒号のような声の嵐に被害妄想を引き起こす。 そんな純然たるノイズ・インダストリアルは、今から30年前のものとは到底思えない先鋭さと前衛性を持ち合わせていて、さすがに伝説扱いされるだけあります。 まあしかし、2nd アルバムと比べると音楽的な体裁も整ってないし、塩だけ食べさせられてるようなウマミの無さが全然楽しくない。 これ聞いて楽しめる人は、筋金入りのインダス・ファンか、あるいは病気ですな。
注目曲 : #9 「 Kaltbruchig Acideath 」
 低音でゴォ――――って鳴ってます。

Leichenschrei

 SPK の代表作 2nd アルバム。 グリッスルの精神性とノイバウテンの直接性を併せ持ったような、こちらも高純度インダストリアル・ノイズ・ミュージック。 感覚を麻痺させるノイズの攻撃に、ヒソヒソ声や女性の悲鳴といった声のサンプリング、荒れ狂うメタルパーカッションと、 前作とさして変わらない音楽成分ですが、 リズムトラックはより一層作りこまれ、少し音にトゲが無くなっている感じもするので、前作より聞きやすいかもしれません。 それでも不気味さや暗黒度はむしろアップしている感もあり、まるで生まれてからたった一度も日の光を浴びたことがないかのような、至極不健康な世界観。 真っ暗な狭い部屋に監禁されて、この CD 大音量で垂れ流しにされたら、骨はボロボロになり、皮は干乾び、 臓器は縮み上がって3日目くらいで発狂死するでしょう(笑)  これ聴いたら Skinny Puppy の 『 Last Rights 』 でさえ悪ふざけのお芝居に見えてしまう、それほどまでに強力な一枚。


1982年
2nd アルバム
推薦盤
注目曲 : #13 「 Wars Of Islam 」
 ダンス寄りというか、結構ハイなノリノリリズムで、踊り続けて死んじゃうような感じ。