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Strawberry Switchblade


 80年代半ばに彗星のごとく現れ消えていった 「イチゴ飛び出しナイフ」、グラスゴー出身の女性ポップデュオ。 もともとパンクスだった女の子4人で結成されるも、結局ローズ( Rose McDowall /小柄な方)とジル( Jill Bryson /大柄な方)の2人だけが残って、Echo & The Bunnymen のギタリスト Will Sergeant が参加したシングル 「 Trees And Flowers 」 で83年にインディーズデビュー。翌年のメジャーデビュー曲 「 Since Yeserday 」 は全英5位と大当たり。彼女たちの元祖ゴスロリとでも言うべき、水玉模様のフリフリ衣装と、こってりメイクが彩るファッションセンスも大いに取り沙汰されました。 86年には来日も果たし、日本限定シングルも発表。そしてアメリカ進出も目前・・・となった矢先、互いの音楽性の違いから突如解散。実質的な活動期間は約1年半でした。 一発屋のバブルガムポップ的なイメージが先行し、今となっては懐かしネタ的に扱われがちですが、ルックス面のみならず音楽的にも興味深いものがありますよ。

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1985年
1st アルバム
Strawberry Switchblade

 「 Since Yeserday 」 の大ヒットを受けてリリースされた、唯一のオリジナルアルバム。彼女たちはファッションはゴスっ娘でも、音楽的には全然ゴシックしてないし、思ったほどロリ声でもないですね。オレ的に例えると、ヒューマン・リーグのニューロマサウンドに、中期コクトー・ツインズのサイケデリアを持ち込んだような、独創的エレポップです。二人のハーモニーを活かした、苺のように甘酸っぱいメロディーに、キラキラしたシンセの鳴らし方。そりゃねぇ、ちょっと聴いてて恥ずかしいかなって部分もありますけど(笑)、その歌声は意外と平坦で冷めた感じがして、全編にどことなく憂い漂う、まるで遊んでもらえないオモチャ箱のような世界観。エレクトロ基調のサウンドの中に、常にアコースティックな感覚が併存しているのも特徴的で、随所に散りばめられたホーンの音色や、一部トラッド的なアレンジも見受けられ、内省的なバラード曲なんかもあったりと、なかなか多彩。そしてそう、何気に捨て曲が無いんです。結構オススメ。たった1枚しか残さなかったのが、かえってアーティストとしての存在感を高めた気もします。
注目曲 : #2 「 Deep Water 」
 サイケデリックな雰囲気とトラッド風のアレンジがいい塩梅でミックスされてて、キャッチーだが抑制の効いたメロ。これも地味に名曲。

 デビュー曲 「 Since Yesterday 」。カラフルな水玉模様に囲まれて何をするでもなくフワフワしてるという、ナイスな PV です。しかし、この曲は素晴らしいですね。最初は モーニング娘。の 「モーニングコーヒー」 ばりの胸キュンメロディーに、うわちょっとキツイかなって思ったけど、何となく聴いてたらやっぱりハマりました(笑) ちなみに、この曲の邦題は 「ふたりのイエスタディ」 で、何つーか、微妙に誤訳。