80年代に一世を風靡した英国のエレポップ/ニューロマ系バンド。UK ニューウェイヴで括られるアーティストは、たとえポップな音を出していても国内的な人気で留まることが殆どですが、彼らの場合は Depeche Mode と同様、米国でも商業的な成功を収めた数少ない例です。さてメンバーですが、男性リードボーカルの Philip Oakey を中心に、バックの女性ボーカル Joanne Catherall (黒髪の方) と Susan Ann Sulley (金髪の方) の2人、以上この3名がよくジャケに登場しますが、他に演奏隊が数人いる模様(メンバーチェンジ多し)。ウィキペディア(英)を見ると、女性ボーカルの2人は初期はバックボーカルのみならず、「ダンサー」としてもクレジットされてました。踊るんかい。あと、Philip Oakey は昔は黒髪フサフサでしたが、現在は古代の僧兵みたいな風貌(違う)。すっかり過去の人たちかと思いきや、未だ現役でした。 |
1988年 コンピレーション盤 |
Greatest Hits 88年にリリースされたベスト盤。95年には新たに3曲追加されたリイシュー盤が出ています。「ポップなニューロマが聴きたい!」という一身で購入した口ですが、これはポップだっ!(笑) 人前で再生するのが憚られるくらい、ポップ純度かなり高めです。甘く、やや貧弱な Philip Oakey の歌唱に、しかるべき2人の女声コーラスが絡んでくる、怒りとは無縁のボーカル陣。ポジティヴなメロが多く、Ultravox みたいな哀愁メロが聴けないのは残念ですが、メロディーライン自体は悔しいくらいに耳に残る残る。サウンド的には、チープでペラペラなシンセを駆使しつつも、リズムトラックは基本生ドラムで、時々エレキギターが鳴り出すという、まさに80年代(前半)ワールド。曲によってはディスコ調だったり、バラードだったり、少々ファンキーだったりで、分かりやすく言えば、ミニストリーの 1st アルバムに似てます。(分かりづらい!) ビルボード No.1 シングル曲 #5 「 Human 」 は程よくブラック・ミュージックのダシが効いたマイルドなバラード調で、#4 「 The Lebanon 」 なんかはメロの雰囲気とかエレキギターを多用したサウンドが、一番ポップだった頃の中期キリング・ジョークに近いです。総じて万人受けのポピュラー・ミュージックですが、当時としてはシンセの使い方とか実験的な部分も多く、そこら辺のバランス感覚は流石だと思いました。 |
注目曲 : #3 「 The Sound Of The Crowd 」 この曲はインパク値高すぎ。ノリノリリズム&クリアーなスネア音がお気に入りだが、シンセの主題メロが変だし、「アーッ、アーッ・・・(中略)・・・アァァァー!!」って叫ぶサビが笑える。何つー曲だと思いつつも、気がついたらもうヘヴィロテでした。音楽は怖い。 |