N O M O S  A L P H A     Map   Genre   Index   Label   People   Column   Link   Info

The Mission


 The Sisters Of Mercy を脱退したギタリスト、ウェイン・ハッセイ ( Wayne Hussey ) らが新たに結成した英国のゴシック・ロック・バンド。 彼らの 2nd アルバムは全英2位にチャートインするなど、ゴシック系にしては珍しく商業的に成功したバンドでした。 その後メンバーの脱退などで活動が停滞し、1996年に一旦休止となりますが、98年に The Mission UK の名で復活。( UK が付いたのは同名のバンドが他にいたため。) 2008年には表立った活動は終了となり、ウェインはソロ活動を行っている模様です。 日本ではあまり話題にならないバンドですが、ヨーロッパではたぶん根強い人気があるんだと思います。

−−−−−−−−−−−−−−−



1986年
1st アルバム
God's Own Medicine

 ウェイン・ハッセイの再出発アルバム 1st 。All About Eve の女性ボーカル、ジュリアンヌ・リーガンも一部バックコーラスで参加。 シスターズ時代のゴシック・サウンドを基調としながらも、ここでは出口の見えない絶望感とは違う泣きの叙情性が強調され、 アングラっぽさを廃した普遍的な親しみやすさがあります。 楽曲にはアートワークが示すような宗教的な気高さも感じられ、ギターサウンドは所謂ポジパンとは違う、 英国の古き良き伝統を感じさせるスタイル。音圧を抑えた弾き方がフォーク的な雰囲気も兼ね備えています。 なんせ一曲一曲のクオリティーが充実した満足度の高い一枚で、当時英国の各プレスがこぞって本作を1986年のベストアルバムに選出したそうですが、 ぶっちゃけ管理人は・・・ミッションはあんまり好きじゃなかったり。 たぶんウェインの感情コメコメなボーカルが耳に合わないんだと思います。 これでもし全部ジュリアンヌが歌ってくれたら愛聴盤になっていた予感大ですけどね。(オイ)
注目曲 : #8 「 Dance On Glass 」
 聴けば判るかもしれませんが、この曲はシスターズの 1st アルバムのリードトラック 「 Black Planet 」 の原曲です。 かつてウェインがシスターズ用に書き下ろしたものがアンドリューによって却下 → 書き換えられたアイデアでしたが、ここでようやくウェインの曲として日の目を見ることになったという経緯。

Children

 元 Led Zeppelin のジョン・ポール・ジョーンズ ( John Paul Jones ) がプロデュースを手掛け、セールス的に大成功を収めた 2nd 。 作風的には前作のサウンドを引継ぎ、さらに内省的に深化させような内容で、子供をテーマにしたと思しき感傷的なムードが全編を支配しています。 楽曲は全てマイナーコードで、ウェインのボーカルも相変わらず泣きまくり。 アップテンポの曲も幾つかあり、それはそれで良いのですが、今回はアコギやストリングスを用いた #4 「 Heaven On Earth 」 や、 ドラムレスの #7 「 Breathe 」 とか #10 「 Black Mountain Mist 」 のような静かなバラード曲の出来の良さが光っていますね。 いずれにせよ、1st が気に入ったらこのアルバムも買いだと思います。 あと、前作に引き続きジュリアンヌ・リーガンがゲスト参加しています。


1988年
2nd アルバム
注目曲 : #10 「 Dream On 」
 エアロスミスのカバー曲。ウェインの号泣パワーバラードと化しています。エアロスミスをカバーするあたり、次作以降のハードロック化の兆しが覗えるのではないかと。



1990年
3rd アルバム
Carved In Sand

 3rd アルバム。AAE のジュリアンヌは今作では不参加。 泣きのゴシックを追求した前2作品とは趣が少し変わって、開放的な曲調が多くなり、万人受けの良さそうな王道ロックアルバムになりました。 #3 「 Butterfly On A Wheel 」 と #4 「 Sea Of Love 」 はメジャーコードの感動メロが2連打続きで、一瞬 U2 の 『 Joshua Tree 』 かと思ったし(笑)  ていうか、#3 「 Butterfly On A Wheel 」 はまんま U2 の 「 With Or Without You 」 です。 お前ぇ、王道メロを突きやがって!  しかもこのアルバムはミッション史上一番売れたらしいじゃねーか、なんと確信犯的な・・・やるなぁウェイン・ハッセイ。 かたやマイナーコードの楽曲では 1st 、2nd の頃の雰囲気も引き継いでいて、バランス感覚もなかなか。 コブシを利かせまくるウェインのボーカルは個人的にはすげー暑苦しいけど、もはや無くてはならないバンドのアイデンティティ。 ハードロックと言うほど音圧も高くなく、聞きやすさにも優れた一枚です。
注目曲 : #6 「 Grapes Of Wrath 」
 もこもこしたシンセサウンドの中で所々ピアノ音が響く非ロックな感動系バラード。これまたメジャーコードの王道メロです。