インダストリアル・ミュージックの生みの親、イギリスの前衛音楽集団4人組。 自主レーベル、その名も 「 Industrial 」 を設立し、 「 Music from the Death Factory 」 なる過激なスローガンを掲げ、 70年代中頃から80年代初頭にかけて活動しました。 解散後のメンバーはそれぞれ別プロジェクトにて多くの作品を生み出し、 テクノ/ハウス、ノイズなど各ジャンルに影響を与えています。 |
1978年 2nd アルバム 推薦盤 |
D.O.A: The Third And Final Report Of Throbbing Gristle ノイズ界隈で語られることも多い TG の 2nd アルバム。 例のスローガンを標榜するだけあって、死臭まみれの拷問じみたアルバムなのかな〜と予想していたら、そうでもなかった。 全編マニアックかつ不気味な暗さが漂ってはいますが、中盤のドリーミーな美しさは特筆に値するのではないかと。(でも終盤はアブナイ感じ/笑) ノイズを鳴らしてみたり、奇声を上げてみたり、子供の声が聞えたり、一曲16秒で終了してみたり・・・。 中には「こいつぁテープ回して環境を録音しただけだろ!これなら自分でも作れそう!」と思いたくなる曲もあります。 でも基本的に音階やリズムなどは計算して作りこまれていて、彼らの実験音楽がアナーキーな挑発精神とは明らかに違う、 前向きなアート感覚&好奇心に根差したことが窺えます。このコマーシャリズムからかけ離れた機械的な感触、 彼らが「元祖インダストリアル」と呼ばれるのも頷けますね。 まあでも、この作品に一般的なインダス要素を期待してはいけません。 無論キャッチーなポップセンスも皆無。やはり人を選ぶ音楽です。 冒頭のピコピコ電脳起動音(?)からラスト曲の発狂ボイスまで、個人的には大満足な一枚でした。 |
注目曲 : #7 「 Hamburger Lady 」 この曲が特に好き。切れ切れボイスの後ろでノイズがムォオオオオン、ムォオオオオン。 |