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音楽の捧げ物


 1990年代後半から2000年代前半にかけてトリビュート盤が流行しましたが、単なるカバー大会に終わっているものや、無名の若手バンドの売名行為としか思えない作品など粗製濫造が横行した・・・・・という感じでウィキペディアにも書かれているように、トリビュート企画に対しては批判的な意見もありますが、そうはいってもお気に入りアーティストのトリビュート盤が出ると聴いてみたくなるのがファンの心理というもの。原曲の持ち味と新しいアーティストの個性を共存させる理想的なカバー、原曲をめちゃめちゃに解体して新しいアーティストの色に徹底的に染め上げてしまう略奪型カバー、どちらも面白いですよねえ。大抵の場合、原曲の魅力を上回るほどのカバーは生まれないものですが、そんなカバーを探し求めてある種宝探し的なノリでトリビュート盤を手に取るのも音楽の楽しみ方の一つ。てな訳で、このページでは管理人が聴いたトリビュート盤をご紹介します。ジャケットをクリックするとアマゾン内の各商品ページに移動して、試聴できたりできなかったり。

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1996年
トリビュート盤
Reflections In The Looking Glass: A Tribute To Siouxsie And The Banshees

 バンシーズ解散に伴って企画されたトリビュート盤。参加しているアーティストは、スージーから強い影響を受けたと思しき、女声ボーカルを擁したゴシック系バンドが大半を占めますが、どれもアングラでマニアックなバンドばかり。管理人も殆ど耳にしたことすらありません。マトモに知っているのは Switchblade Symphony くらいかなあ。内容ですが、ゴス女声ボーカルによるゴス女声ボーカルのカバーなので、全体的に原曲のイメージが大切に守られている印象で、極端に意表を付くものは無いですね。そもそもバンシーズの楽曲はゴスに留まらない闇鍋的な魅力が売りなので、多彩なアレンジにも柔軟に対応できるのではないかと。そういう意味では、もっと遊んでみても良かったかな〜とも思ったり。
#5 「 Cities in Dust 」
 The Last Dance With Kelly Garret というアーティストによるものですが、詳しいことは分からん。やはりもともと曲が良いんですね。アレンジは比較的忠実で、ボーカルの微妙にクネクネした歌い方がハマってます。
#10 「 Head Cut 」
 このアルバム内で唯一の男ボーカル楽曲。原曲より格段にスピードアップしていてパンキッシュ、カッコイイ。アーティストは Corpus Delecti というフランスのデスロック系バンドらしい。アマゾンでこの人たちのベストアルバムを試聴してみました。まんまバウハウス made in France って感じ。


A Gothic-Industrial Tribute To The Smashing Pumpkins

 こちらはスマパンの解散後にリリースされた一枚。ゴシック系/インダストリアル系のバンドがスマパンの曲をカバーするという企画です。スマパンはゴスでもインダスでもないけど、あっち方面からも慕われているのですね。まあしかし、このアルバムは微妙でした。スマパンの曲って、ギシギシの轟音ギターとビリー・コーガンの爬虫類ボイスとセットになって初めて中毒性が生まれるのだと、このアルバム聴いて再認識した次第。打ち込みビート + ピコピコ電子音 + ギターサウンドてな勢いで(悪く言えば)表面的なインダストリアル・テイストを施しても、原曲の良さは失われるばかりで、かといってこの手のサウンドも巷に溢れてるし、正直つまらねーや。歌メロもビリー・コーガンのボーカルだと味があるのに、他の人が歌うとチープに感じられたり単調だったりで、不思議なもんです。でも PIG による 「 1979 」 のカバーは秀逸で、オレ的に唯一の救いでした。


2001年
トリビュート盤
#6 「 Cherub Rock 」
 2nd アルバムのリードトラックをハワイのビジュアル系 Razed In Black がカバーしますが、可も無く不可も無くといったところか。ピコピコシンセ音とヘヴィギターの取り合わせ。
#8 「 1979 」
 3rd アルバムの Disc2 に収録の名シングル曲を PIG がカバー。原曲はたんぽぽ畑のような優しいイメージですが、こっちはマグマのようにドロドロで妙に生暖かく不気味なレイモンド・ワッツ節全開。てかマジ怖えーよ、この曲(笑)
#13 「 Zero 」
 ハリウッドを基点に活動する Synical なるインダストリアル・ロック・バンド(知らんなあ)。こちらもスマパンの代表曲ですが、このギターリフはインダス的なアレンジと相性が良さげ。でもボーカルの声があまり好きじゃなかったり。