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U2


 1976年にアイルランドのダブリンにてハイスクール仲間が結成、 以来30年経過する今でも4人のメンバーは不変。これは偉い。 3rd 〜 5th アルバムにかけてワールドワイドな超大物バンドへと上り詰め、未だ第一線。 社会奉仕活動に対しては普通じゃない情熱の注ぎっぷり。特にボノさん、頑張ります。 音楽は世界を救えるか、どうか。

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1980年
1st アルバム
Boy

 記念すべきデビュー作。 今でこそ U2 はジャンルを超越した世界的なビッグネームですが、当時では新興ポストパンク勢力の一バンドとして認識されていました。 ネオサイケデリックの旗手であるエコバニ同様、空間を埋め尽くすのではなく間に間に漂うようなギターサウンドや、 パンクムーヴメントの名残を伝える駆り立てるようなスピードが、この時代らしさを物語っています。辺境の地出身だけあって、 ひんやりとした清涼な空気感や、遠くの山々から聞こえるこだまのようなコーラスワークは、他のイギリス産のバンドとはまた一味違う趣。 アルバム全編に散りばめられた鉄琴(?)の音色もナイス小道具。遠くでキンキンいっとります。もったいぶらずに、 盛り上げすぎずにサクサク進む足取りの軽さは、中期の傑作『The Joshua Tree』には無い価値で、ここはさすがにフレッシュな新人さん。 しかしボノさんの声は今と殆ど変わらないですね。不思議。「未だ心は少年のまま・・」とか仰るだけあらぁ。 楽曲については全体的にやや小粒で、3rd の 「 Sunday Bloody Sunday 」 並に絶対的な強さを持つキラートラックは見当たらないのですが、 テンポの良い展開が最後まで気持ち良く聴かせてくれます。陰りを湛えながらも肯定的に進むメロディーの数々。 このフレンドリーなツカミのよさは今のU2の人気を支える一因だろうな〜と改めて確認した次第です。1st にして充実作。
注目曲 : #6 「 Stories For Boys 」
 少し哀愁漂っている疾走曲。中盤・終盤のコーラスの掛け合いがイイ。

War

 バンドの最高傑作に推す声も多い 3rd アルバム。私が最初に聴いた U2 の作品がこちら。なんか無駄に疑っていましたが、 一聴してスゲェ、クオリティ高い!って思いましたね。このアルバムは初期特有の勢いはそのままに、曲のダイナミズムに磨きがかかり、 ボノが奏でる歌メロも情熱的。少年ジャケもデビュー作と違って訴えかけるような視線。ネオサイケなギター、力強いベースにドラム、 そしてボノのエモーショナルな歌唱が一体となったバンドサウンドには、未開の土地を開墾するような若々しいエネルギーが漲っていて、 これらがリスナーの心に熱く迫ってきます。 ピアノとベースがアイルランドの大地を渡る冷気を演出するシングル曲 #3 「 New Year's Day 」 、 泣きの疾走曲 #4 「 Like A Song... 」 、トラッド/アコースティックな熱唱バラード #5 「 Drowning Man 」と名曲揃いな多彩な内容で、 #1 「 Sunday Bloody Sunday 」 や #6 「 The Refugee 」 の祭祀的なドラムのリズムも聴き所。 ポップかつ愁いを帯びたメロディーには大多数の人々を引きつける力があるのに、 決してベタな大衆ロックに陥ることはなく、そこら辺のバランス感覚が見事です。後半の曲はややダレてくる気もするけど、 前半の曲があまりに出来すぎだから許す(何様)


1983年
3rd アルバム
推薦盤
注目曲 : #1 「 Sunday Bloody Sunday 」
 メロディーが熱く勇ましい名曲。スネアが特徴的なリズムトラックがイイ。



1986年
5th アルバム
The Joshua Tree

 ワールドワイドで2000万枚以上を売り上げ、英米1位の大ヒットシングル曲 #3 「 With Or Without You 」 を擁する U2 の名盤 5th アルバム。 1986年といえば管理人的にはスラッシュメタルの年ですが、こういう心温まる音楽もあったのですね(アタリマエ)。 何はさておき最初の3曲、スケールでか過ぎ。イントロからして視界が360度開けてくるのです。微妙に目の病気。 これはかけがえのない緑の惑星「地球」を空から見下ろすときの BGM って感じがします。 ただ、この3曲で感動のクライマックスが訪れてしまうので、残りの曲が余韻になってしまうのは否めません。 とはいえ、よくよく聴くと他の曲も悪くはないし、アイリッシュなダシも薄っすら。いわゆるパンクっ気は抜けてきて、 メロディーがメジャー志向になっているので、万人に広くアピールする内容となっています。 アコースティックな時間帯も多く、スピードはゆったりめ。じっくり聴きませう。
注目曲 : #1 「 Where The Streets Have No Name 」
  最初の3曲はどれも高品質だけど、この曲が一番冷涼なイメージで個人的ベストトラック。細かく刻み続けるギターがいい仕事してます。