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Ulver


 ノルウェー出身のブラックメタル系・・・でしたが、途中からエレクトロニカ/トリップホップ系へと転身した異色のバンド、ウルヴェル。アルバムごとに作風をコロコロ変えるためか、メンバーチェンジも頻繁に行われ、フロントマンの "Garm" こと Kristoffer Rygg のみが結成時からの現存メンバーです。

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1995年
1st アルバム
推薦盤
Bergtatt - Et eeventyr i 5 capitler

 この 1st アルバムは非常にフォーク色が濃いアトモスフェリックなブラックメタルです。基本的にアコギやピアノやフルートを用いたアコースティックな感覚でゆったり進んでいくのですが、曲の途中でスタスタと激しく疾走するブラックメタルな時間帯が現れ、それに伴ってボーカルの Garm もクリーン声が一変、ギャーギャーと悪魔声のシャウトに様変わり。7分前後の曲が全5曲というアルバム構成の中、この二つの表情が行き来するのですが、アルバム全体が孤独な寂寥感に包まれていて、平素の Garm が奏でる物悲しいコーラスパートは一際美しく、冬の山林に漂う空気のように心に沁み渡っていきます。うおぉ、泣けるよ。静謐と邪気が織り成す奥深い芸術性は当時の同業他社には見出せないであろう比類なき個性で、ブラックメタル界の名盤とされるのも納得。これは素晴らしい! ブラックメタルは守備範囲外のリスナーも十分惹き付けうる魅力を持っています。しかし、さらに凄いのは、このアルバムを発表した当時の Garm は若干19歳だったという事実。
注目曲 : #2 「 Svelen Gaaer Bag Aase Need 」
 1曲目がクリーンボイスの歌唱曲だったので、あれーブラックメタルじゃないなー、と思いつつ 2曲目に進むと、フルートのイントロの後でやっと始まります。ブラックメタル! この曲は中半部の悲しげなコーラスが特にイイ。