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Within Temptation


 1996年結成、オランダが誇るシンフォニック・ゴシック・メタルバンド。女性ボーカル、シャロン・デン・アデル ( Sharon den Adel ) の美しいソプラノ声と、シンフォニックな演奏スタイルが特徴です。結成された当初はシャロン他、一部のメンバーは普通にサラリーマンだったようですが、バンドに人気が出すぎたために会社を退職して音楽活動に専念、今や Nightwish らと並んでこのジャンルを代表する世界的なバンドです。

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2000年
2nd アルバム
Mother Earth

 出世作 2nd アルバム。シャロンの研ぎ澄まされた歌声を主軸に、オーケストレーションとオペラ風コーラスが盛り立て、しっとりと優雅に乱舞する展開は、まさにシンフォニック・ゴシックメタルな一枚。ケルティックな笛の旋律が導くタイトルトラック 「 Mother Earth 」 を筆頭に、極上のメロディーを紡ぎ上げる哀愁のエモーションが冴え渡り、時にナチュラルに、時にメタリックに、ダイナミックかつ威厳十分に展開するクオリティは、そこいらの映画音楽を凌駕するレベル。全編においてメロディーは泣きに次ぐ泣きの連続ではあるものの、『母なる地球』 というタイトル通り、所々で民謡調の調べが顔を覗かせ、弦楽器やピッツィカートの音色と共に起伏をもたらし、一本調子になることを防いでいる印象で、最後までダレることなく聴き通せるのが好感度大。これなら疾走感なんか要らないよな〜。ゴシックメタルというジャンルは守備範囲のようで、微妙にそうでもない管理人ですが、好きな人には悶絶モノの傑作アルバムだと思います。
注目曲 : #10 「 In Perfect Harmony 」
 ラスト曲。ニューエイジ的な雰囲気を醸す感動的バラードです。最後の最後で清涼感溢れるメジャーコードの曲が来るアルバム構成もイイ。

The Silent Force

 4年ぶりのスタジオ作は、ヨーロッパのみで50万枚以上のセールスを記録。シャロンの歌声も管弦楽を駆使したアレンジも相変わらずですが、バックのオーケストレーションが若干大袈裟、じゃなくて迫力が一段と増してきて、ギターサウンドも重厚さアップ。冒頭のイントロの後の #2 〜 #4 の並びはヘヴィロック的なパワーに満ちていて、売れ線になったという訳でもないけど、メインストリームに訴えかけるに十分な説得力みたいなものが出てきた気がします。ゴシックとは言えど、猟奇的なドロドロ感とは無縁な上品さが WT の持ち味ですわな。個人的には、肩の力が入り過ぎない前作の民謡的なナチュラルサウンドが好きでしたが、シングル曲の 「 Memories 」 は WT のベストトラックなもんで、評価としては前作とほぼトントンってところ。


2004年
3rd アルバム
注目曲 : #8 「 Memories 」
 ストリングスのハーモニーとピアノ伴奏主体のミディアムバラード。WT はこうやってあまりギターが前に出ない方が好きかなー。最後の方はちょっとだけ鳴ってるけど。

 3rd アルバムより 「 Memories 」 の PV 。お城といい、ドレスといい、ピアノといい、いかにもゴシックな演出で分かりやすい。おばあさんが若い頃住んでいた屋敷に帰ってきて思い出に浸るという内容でしょうか?

The Heart Of Everything

 目隠し電気椅子ジャケ(嘘です)の 4th アルバム。前作からその兆しがありましたが、ザクザクのギターリフはより一層攻撃的になり、米国風ヘヴィロックのグルーヴ感に接近。あと、今さら言うのもナンですが、メロディーの泣きが強すぎてちょっとキツイんです。ここまで来ると、もはや演歌の域。リードトラックの 「 Howling 」 の歌い始めを聴いて思いましたが、シャロンのボーカルにも変化が出てきました。2nd の頃のオペラ風ソプラノ声のイメージから離れ、力一杯熱唱する機会が多くなり、どこかのエイミー・リーっぽい歌唱です。ていうか、このアルバム、ぶっちゃけエヴァネッセンス化が進行してます。#2 「 What Have You Done 」 なんかいきなりマッチョな男声が飛び出して、エヴァネッセンスの 「 Bring Me To Life 」 かと思ったし(笑) 何が悪いって訳でもないけど、歌メロもややワンパターンさが目立ち始めてきてるし・・・今後こっちの路線に行かれるのは歓迎できないなあ。


2007年
4th アルバム
注目曲 : #6 「 Hand Of Sorrow 」
 120BPM くらいのミドルテンポですが、何気に WT でこの速さは異例だったり。