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Carl McCoy
カール・マッコイ


 カール・マッコイはマカロニ・ウェスタンな衣装にゴーグル着用という出で立ちでオカルト道を邁進する Fields Of The Nephilim のフロントマン。彼が率いるバンドはどうも The Sisters Of Mercy の 二番煎じ的な扱いを受けてしまいがちで日本での知名度・評価は今一つだが、 ヨーロッパでは一部のマニアの間で熱烈な支持を集めているようだ。 その最大の理由は、やはり彼のオカルト趣味に基づく徹底したバンド・コンセプトだろう。
 カール・マッコイの母はエホバの商人だったらしく、そんな育ちの環境が関係したのか、 彼は神話や魔術といったオカルトの知識を深めていき、自身の音楽の世界観や歌詞に結び付けていく。 中でも19世紀から20世紀前半にかけてその名を轟かせた神秘主義者アレイスター・クロウリーからはしばしば着想を得ており、 バンドの代表曲 「 Moonchild 」 のタイトルはアレイスター・クロウリーの著書に由来しているし、 The Nephilim 時代にリリースしたアルバム 『 Zoon 』 のアートワークに登場するマント男は、 アレイスター・クロウリーに扮するカール・マッコイの姿らしい。 曲中にもしばしばアレイスター・クロウリーの肉声がサンプリングされているようで、 もう見事なハマリっぷりである。彼が影響を受けたこの手の有名人は他にも多数存在し、 例えば91年にリリースしたライブアルバム 『 Earth Inferno 』 のタイトルは、 イギリスの超能力画家オースティン・オスマン・スパーの作品から借用したものだし、 89年のシングル曲 「 Psychonaut 」 のタイトルはオカルト系作家ピーター・J ・キャロルの著書である。 ちなみにカール・マッコイは Sheerfaith なるグラフィック系の会社を持っており、 自身の音楽作品のアートワークだけでなく、こっち系の書物の表紙絵もプロデュースしている。
 ・・・まあ、以上くどくどと彼のオカルトマニアっぷりを紹介してみたが、 肝心の音楽活動の方もバリバリ現役活動中で、2005年には新譜もリリースしている。 (このアルバムではカール・マッコイの二人の娘がボーカル参加している)  まあそんな訳で、「ケイオスマジック」 「セレマ」 「黄金の騎士団」 といった言葉に反応する人は、 彼のディープな世界に足を踏み入れてみてはいかが?


― 関連人物 ―

Andrew Eldritch (アンドリュー・エルドリッチ)

 ゴシック界のドン、The Sisters Of Mercy のボーカル。やはり当時この2つのバンドはよく比較される存在だったようだ。 でもカール・マッコイの方がある意味で筋金入りのオタクかも。



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