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Patricia Morrison
パトリシア・モリソン


 パトリシア・モリソンは第二期 The Sisters Of Mercy のメンバーとして有名なロサンゼルス出身の女性ベーシスト。 16歳のときにベースを始めると、カリフォルニアのパンクシーンで幾つかのバンド経験を経て、 1982年から1984年の約2年間、LA のサイコビリー・パンクバンド The Gun Club のベーシストとして活動している。 The Gun Club は元 The Cramps のギタリストも在籍しており、当時のアメリカ西海岸のパンクシーンでは有名なバンドだったようだ。 The Gun Club を脱退して暫く後、パトリシアはゴスの帝王アンドリュー・エルドリッチに誘われて分裂解散後のシスターズに加入、 晴れてスターミュージシャンの仲間入りを果たすのであった。 しかし、彼女の公式ホームページ内のバイオグラフィーを見てみると、シスターズ時代の記述がやけに淡白で短いのだ。 そんなことから推測するに、彼女にとってシスターズ時代は嫌な思い出だったのだろうか? 以下にアンドリューとパトリシアの円満ならぬエピソードを紹介してみたい。
 実はパトリシアが参加したシスターズの 2nd 『 Floodland 』 のアルバムスリーブには、彼女の名前がクレジットされていないのだ。 ジャケットには彼女の顔が半分映っているし、シングル曲の PV でも派手に出演しまくりなのに、何故か(笑) 「パトリシア」の文字はどこにも見当たらない。 てゆーか、パトリシアさん、だいたいベースは弾いてないのかね? 「 This Corrosion 」 の PV でもベース持ってたじゃん?  が、しかし、この頃のシスターズはライブ活動を行っていなかったようで、ベース全く弾いてない説が浮上(?)  それならアルバム3曲目 「 Lucretia My Reflection 」 の印象的なベースラインは一体誰が弾いているのだろうか・・・。 ちなみにアンドリューは 「パトリシア・モリソンは見ばえのために雇った」 と公言していたらしく (←パトリシアは抗議!)、 ウェイン・ハッセイらが抜けた男独りゴスバンドじゃあまりに冴えない、それなら華でも添えとっかー、程度の使い捨て魂胆だったのかもしれない。 この他に金銭的なトラブルも絡んだようで、パトリシアは 「アンドリューが約束の金を払ってくれない」 と抗議してバンドを脱退するのであった。 何つーか、アンドリューにいろいろ騙された感がプンプン臭ってくる。
 シスターズ脱退後のパトリシアは一時期経済的にも困窮していたようだが、 知人の協力もあって何とかソロアルバムをリリースし、欧州へのライブツアーも行っている。 1996年には英国パンクの生ける伝説 The Damned に加入し、その後ボーカルのデイヴ・ヴァニアンと結婚。 ちょっと見はゴス界のヴァンパイア夫妻の誕生だ。 2004年に長女エミリー・ヴァニアンを出産してからは音楽界から離れており、公式ホームページも更新が何年も滞っている。今後彼女が音楽界に舞い戻ってくるかは不明のままだ。 


― 関連人物 ―

Andrew Eldritch (アンドリュー・エルドリッチ)

 The Sisters Of Mercy のワンマン・リーダー。シスターズに在籍したメンバーの殆どは、彼との仲違いが原因でバンドを去っていったが、パトリシアの場合も例外ではなかった。



Dave Vanian (デイヴ・ヴァニアン)

 The Damned のボーカルでパトリシアの旦那。パンクロッカーとして有名だが、かなりのゴス/ヴァンパイア趣味マニア。名前のヴァニアンは、ドラキュラの生まれ故郷 「トランシルヴァニア」 に由来する。


Siouxsie Sioux (スージー・スー)

 パトリシアはシスターズに加入する以前の The Gun Club や Fur Bible といったバンド時代には Siouxsie & The Banshees のツアーの前座も務めていた。




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